非難殺到!パットンをオープナー起用する奇策に失敗した横浜DeNAラミレス采配のどこに問題があったのか?
ラミレス監督の不可解采配はパットン先発の奇策だけではなかった。大差がついた展開で山崎、先発要員のピープルズ、守護神の三嶋らを投入したのである。いくら登板間隔が空いているとはいえ、まだ13連戦の3戦目である。肩を消耗品と考えるなら、まったくの無駄使い。SNSや、ヤフーコメント欄にはラミレスの采配批判が殺到しているが、この起用に「唖然とした」という声も少なくなかった。 今回のラミレス采配のどこに問題があったのか。 阪神、ダイエー、ヤクルトで先発、抑えの経験のある評論家の池田親興さんは、こんな指摘をした。 「ラミレス監督なりの考えがあって実行した采配を結果論で批判できない。今永、平良の先発の軸の2人が離脱して新型コロナによる過密日程。苦しい事情はわかる。問題は本当に先発投手がいなかったのか、どうか。そしてオープナーの選択がパットンで正解だったのかどうかという点にある。外国人枠の問題でピープルズをフル回転したかったのかもしれないが、それは先発が揃っていて勝ちゲームになっているという前提の話。オープナーという戦法の選択よりも先発候補の適任者を先に探すべきだったと思う。またオープナーの適性に答えはないだろうが、まったく未知数だったパットンに賭けたことも疑問だった。パットンはセットアッパーの時から制球が荒れる危険性を持った投手。ラミレス監督の采配を批判できないが、なぜ?という点が多かったことは事実だろう」 8月28日のヤクルト戦で6回2安打無失点の好投を見せて2勝目をつかんだピープルズを中5日で先発させることは可能だった。また井納も中6日で先発可能だった。 だが、ラミレス監督は、2軍で調整中のオースティンが復帰した場合にロペスも揃えば、外国人枠の問題でピープルズを10日間抹消しなければならないため、それまでにフル回転させようと考え、2日の巨人戦から中継ぎスタンバイさせ登板させた。また井納は広島に防御率1.56と絶対的な相性の良さがあるため、まだ勝負は先と見据え、今日4日の広島戦の先発に回した。 井納を巨人ではなく広島に回したことは、まだ理解できる。だが、ピープルズに関しては、先発が崩れれば中継ぎスタンバイは無駄になるのだから池田さんが指摘するように先発最優先の原則を守るべきだった。セオリー通りにピープルズの先発起用がベストだったのだろう。先発陣は離脱者が多いが、まだ中継ぎは、ピープルズを回さなくともメンバーは揃っている。何もここで苦し紛れの奇策を打たねばならない状況にはなかったのだ。