横浜DeNA大和サヨナラ打の裏に隠れたドラマ…「2番起用」ラミレス監督”ぶれない采配”と百戦錬磨ベテランの覚悟
横浜DeNAが25日、横浜スタジアムで行われた広島戦で今季3度目のサヨナラ勝利を収めて連敗を3でストップした。ヒーローは今季初めて2番で起用された大和(32)。そこまで2併殺、2三振と大ブレーキだった男が、9回二死一、二塁から左中間を破るサヨナラタイムリーを放った。そのドラマの裏には、ラミレス監督の“ぶれない采配“と、百戦錬磨のベテランの覚悟が隠されていた。
2併殺&2三振の大和に代打送らず
勝利を確信した大和はバットを放り投げた。 「打った瞬間、超えると思った」 4-4で迎えた9回二死一、二塁。前進守備を敷いていた広島の外野陣をあざ笑うかのように大和が振り抜いた会心の当たりが左中間を深く超えていく。自身4度目のサヨナラ打を放った大和は一塁ベースを回ったあたりで、ナインのウォーターシャワーの祝福を受けた。駆けつけたラミレス監督も大和と歓喜のハグをした。 「正直、ホッとしています」 大ブレーキから一転ヒーローに。最後に名誉挽回を果たした大和は本音を漏らした。 ラミレス監督の采配はぶれなかった。 9回二死二塁から、広島ベンチは、この日、4安打の梶谷を申告敬遠で歩かせて大和との勝負を選んだ。ここまで2併殺に2度の得点機に2三振と大ブレーキとなっていた“安牌“である。だが、ラミレス監督は、そのまま大和を打席に立たせた。 「2打席連続でダブルプレーなど、精彩はなかったが、彼を2番で使ったのには理由がある。あの状況で大和に打席が回ってきた。彼を使った意味がここにあると信じていた。その通りの結果を出してくれて良かった」 中日戦で連続完封負けを喫した低迷打線に息を吹き返させる手段としてラミレス監督は、今季初めて大和を2番で起用していた。 「大和は右投手に強く、彼は横浜スタジアムでいい結果を残している。大和なら梶谷が出たケースでなんでもできる」 ラミレス監督は、本来、2番に最強打者を置き、小細工をしない攻撃的野球を好む。ソト、宮崎、オースティンまで2番起用したことがある。だが、この日は、あるデータからオーソドックスな戦法に立ち返った。 大和の球場別のデータを見ていると確かに横浜スタジアムでの打率は、古巣の甲子園の.429に次ぐ.309。本拠地に強い。広島の先発は右腕の九里だったが、左右投手別のデータを見ると右投手に打率.293、左投手に.250という意外な数字があった。データ主義のラミレス監督らしい采配である。