今こそ「巨人包囲網」…の考え方は時代錯誤なのか?
巨人が貯金「10」をキープしてセ・リーグの首位を走っている。2位の横浜DeNAとは4ゲーム差があるが、先の3連戦に勝ち越した中日は、エースの大野雄大と巨人が苦手とする”初モノ”のロドリゲスを先発起用して他球団に攻略のヒントを与えた。ペナントレースは、残り約70試合。今季のセはクライマックスシリーズがないだけに、追いかける各チームは中日と同様にそろそろ巨人にエースをぶつける「巨人包囲網」を張らねばならないだろう。新型コロナの影響でイレギュラーな過密日程が組まれている今季はローテー再編が難しいという状況もあるのだが…。
中日が見せた巨人攻略ヒント
独走を続ける巨人攻略のヒントを中日が見せた。先の3連戦に2勝1敗と勝ち越したのだ。15日には、育成上がりの“新戦力“ロドリゲスが7回1失点。16日には大野がわずか2安打1失点の完投勝利を飾った。大野は7日の1失点完投に続き、2戦連続での完投勝利である。中日は巨人に危機感を抱かせた。 試合後、今季ワーストの2安打に終わった原監督は、「コーチがどういう指示、正しい指示を出していたのかを問いたいね」と珍しくコーチ陣に苦言を呈した。巨人は12日のヤクルト戦からは、不振の坂本勇人と、丸佳浩の打順を切り離して不動の「サカマル」を解体している。だが、この2週間のトータルで見れば、11試合を戦い5勝5敗1分けの勝率5割の成績である。 ユーチューバーとしても活躍している元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、「巨人は中日に負け越し、打線不振を心配されていますが、やはり安定しています。サカマルが不振でも他にウィーラーや亀井、中島らカバーする選手が次から次へと出てくるのが強みでしょう。今週も3勝2敗で勝ち越していますからね。それと同時に巨人を追いかける絶対的なライバルチームが存在しません」と、現状を分析している。 「2位の横浜DeNAもエースの今永が抹消され、打線でもオースティンが抜けたまま。梶谷、ソトがようやく戻ってきましたが、調子を取り戻してやっと“戻った”と言えるわけで、追撃の体制はまだ整っていません。3位の阪神も相変わらずエラーが多く、サンズ、大山、ボーアが打てないと得点力が落ちるという不安定さがあります。僕が優勝予想している中日は、ようやく投手陣が揃ってきたので、今後、平田やアルモンテら打線の故障者が復活してくれば面白い存在になると思いますが、巨人とは、7.5ゲーム差がありますからね」 だが、このまま他球団が、チーム整備に時間をかけていれば、巨人が独走してシーズンが終了である。 里崎氏は、「昭和の野球と言われるかもしれませんが、もう他球団は、足並みを揃えて巨人にエース、表ローテーをぶつける巨人包囲網を張らなければ、このままシーズンが終わってしまうという危険性があります。今季はクライマックスシリーズがないのですから2位、3位ではダメなんです」と警鐘を鳴らす。