SB王会長が広岡氏にG倒V4の勝因語る「工藤はやっと嫌われる監督になった」
プロ野球の日本シリーズでソフトバンクが圧倒的な強さを見せつけて巨人に4連勝、4年連続の日本一に輝いた。工藤監督は就任6年で5度目の日本一。その采配も円熟味を増しソフトバンクの王貞治会長は、巨人OBで元ヤクルト、西武監督の広岡達朗氏に「工藤はやっと嫌われる監督になりました」と勝因を説明した。
采配も選手起用もぶれなかった
ソフトバンクは強かった。 投打において巨人を圧倒しての2年連続の4タテである。 広岡氏は、8歳下のかつての盟友、王会長に祝福の連絡を入れた。 「ワンちゃん。工藤はいい監督になったな」 「はい。工藤はやっと嫌われる監督になりました」 嫌われる監督になった…最高の賛辞だ。 「工藤監督がしっかりしている。だから内側のことを考える必要はないんだ」と、メディアに話していた王会長も広岡氏ゆえに本音を漏らしたのだろう。 「王が言うんだ。工藤はいい監督になりました、やっと選手に嫌われる監督になりましたと。采配も選手起用もぶれなかった。そこには信念をもって采配するという姿があった。監督というのは、選手に嫌われてこそ一流。私も監督時代は選手に嫌われていただろう。選手に迎合して何を教えることができるのか。工藤はシーズンを通じて情を捨て勝利に徹した。それがチーム内競争の空気を作った。日本シリーズでもそうだった」 工藤監督は、シーズンを通じて、ぶれない非情采配を貫いた。打線が不振に陥ってもファームで3割を打っていた内川を昇格させず、チームリーダーの松田もスタメンから外した。 日本シリーズの第3戦でも先発のムーアが7回までノーヒットノーランを続けていたが迷うことなく交代を告げ、8回からモイネロー森の必勝リレーにつないだ。 「今日はどうしても勝ちたかった」 試合後、工藤監督は、こう言った。 ベンチ内でムーアのそばに駆け寄り話をして本人の意思を確認したようだが、おそらく交代を決めてから話をしたのだろう。ムーアに嫌われようが、ファンにどう思われようが、決断は揺るがない。