【初代X5物語】SUVという形をしたドライビングマシン 25年前に生まれたBMW X5(E53)とはどういう車だったのか?
引っ張る?農業用フックで?ばかばかしい。そんなことは他の人に任せておけばいい。「X5」は「5シリーズ」と同じくらい剛性が高く、軸荷重配分は52:48で、BMWの理想にも近い。そして、その走りだ。ガソリンが満タンであれば、2.3トンを超える重量を道路上で動かしているとは思わないし、重心が高いふくらんだ車に乗っているという感覚もない。また、通常の四輪駆動車に乗っているような感覚もない。通常、62%のパワーが後輪に、38%が前輪に伝わるからだ。結論から言えば、BMWは「X5」でSUVに独自の個性を与えた。大きな分厚い船を太い車輪に乗せ、何よりも「喜び」を与えることを目指したのだ。 その代償として、燃料消費という問題が起こる。正直に言うと、我々はまるで石油王の甥っ子のように、急勾配の曲がりくねった山道を走り回った。そして、車内のコンピューターに表示された燃料消費量は22.7リットルだった。我々は考えた。一体全体、どこでどうやって、リッターあたり平均6.7kmという燃費を受け入れたのか? まあいいだろう。当時、8万ユーロ(約1,320万円)ほどの大型「V8 BMW」を買う余裕のある人なら、ガソリン代を心配することなどなかっただろう。それよりも、他のことを心配していたはずだ。たとえば、「X5」のオーナーとなり、盗難に遭うことなどだ。そこからが大変なのだ。警察、報告書。その後、2人の警官がクラクションを鳴らして私に近づいてきたときは、心が沈んだ。
結論:
なんて楽しいのだろう!「X5」は、SUVという形をしたドライビングマシンであり、SUVそのものではない。4.6リッターのメガV8エンジンの理屈に合わないところを、何年経っても楽しむことができる。もはや最新ではないが、これからクラシックになるであろう、ドイツのエンジニアリングの印象的な証である。
Andreas May