日本国内、泊まれる「お城」3選
歴史的建造物や文化財を活用した宿泊施設が各地で増え、日本人だけでなく海外からの観光客の間でも人気が高まっているのをご存じの人も多いはず。さらに最近は「城泊(しろはく)」と称し、泊まれるお城も少しずつ誕生してきているって知ってた? そこで、国内の城泊状況をリサーチ。料金は決して安くはないけれど、どこも手厚いおもてなしや唯一無二の経験とともに、その土地の歴史や文化を存分に感じられるので、お殿様&お姫様気分で束の間のタイムスリップを味わってみてはいかが?
丸亀城キャッスルエクスペリエンス(香川県丸亀市)
国際認証機関「グリーン・デスティネーションズ」により、世界の持続可能な観光地TOP100に選出されている香川県の丸亀市。そんな丸亀にある丸亀城は、400年の歴史をもち、優れた技術で積まれた日本一高い石垣を有する“石垣の名城”としても名高い。その上にそびえ立つ四国最古の木造天守は、現存12天守のひとつに数えられ、市を代表するスポットとして古くから愛されている。 多くの魅力に満ちたこの城を独り占めできる「丸亀城キャッスルエクスペリエンス」は、2024年7月からスタートしたばかりの注目の城泊のひとつだ。 写真:丸亀駅から人力車によるお迎えで、いざ城へ。道中は丸亀の歴史や城下町などについて車夫が教えてくれ、土地に関する学びも得られる。
チェックイン後は、大手一の門にて丸亀伝統の和太鼓でゲストを歓迎。なお、天守と大手門が現存するのは、ここ丸亀城のほか、高知城と弘前城の3城のみだそう。 唐破風(からはふ)や千鳥破風(ちどりはふ)などを美しく配し、かつての造りを残したままの天守は、夜は一般客が入れないためゲストが貸し切りでゆっくり見て回れる。ガイドの案内とともに、その悠久の歴史に思いを馳せてみよう。夕食後は天守をナイトラウンジとしても使える。
客室は、三の丸にある「延寿閣別館」を使用。もともとここは200年以上丸亀の地を治めた京極家の屋敷で、丸亀藩の江戸藩邸内にあったものを1933年に移築したそう。その後は貴賓館として使われていたが、宿泊施設として活用すべく2023年に市が約2億3000万円をかけて改築し、現在の姿になった。 伝統建築の意匠や香川ならではの工芸品に彩られた、120平米の広々とした快適な屋敷が、宿泊者だけの空間となる。城下の街並みを眺めながらの清々しい目覚めは、格別だ。