急転、北京パラから除外決定にロシア猛反発…新体操の元女王カバエワ氏は「世界のスポーツの歴史上恥ずべき1ページ」と非難
国際パラリンピック委員会(IPC)は3日、ウクライナに軍事侵攻したロシアと同盟国ベラルーシの選手団の北京パラリンピックへの出場を中立選手として認めた前日の理事会方針を撤回して急転、大会から除外することを決定した。アンドリュー・パーソンズ会長の説明によると、選手村でロシア、ベラルーシ選手の安全が確保できず、各国からボイコットや除外を求める声が殺到し大会が不成立となる危機が迫ったことが理由だという。ロシア側は猛反発。国営通信社「タス通信」によると、新体操の元女王のアリーナ・カバエワ氏(38)も非難のコメントを発信した。
スポーツ仲裁裁判所への提訴も示唆
急転、今日4日に開幕する北京パラリンピックから除外されることが決まったロシアは、反発の声をあげた。 ロシアパラリンピック委員会(RPC)は、すぐさま声明を発表。 「RPCは、このIPCの決定は、パラリンピックファミリーの原則のひとつである障害スポーツの非政治性と矛盾しており違法であると考える。この(IPCの)決定により、RPCとロシアのパラアスリートは、現在の政治的対立の加害者のように見える。しかし彼らは現在の政治的紛糾に何らかの形で関与していると解釈できるようなことを何もしていない。我々はスポーツやその他の司法機関におけるロシアのパラリンピアンの権利と、利益を守る権利を留保する」 IPCの急転、ロシアの出場を禁じた決定を「違法」と訴えた。 タス通信の報道では、オレグ・マティシンスポーツ大臣も「IPCによる我々のチームの排除は、アスリートの権利と五輪憲章の重大な違反です。すでに彼らは北京に入っていたのだ。とても容認できない。近い将来、訴訟を起こすための準備をしている」と反発し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を示唆した。 またロシアメディア「ガゼータ」の取材に対してロシアオリンピック委員会(ROC)のレオニード・ティアガチェフ名誉会長は、「トーマス・バッハ会長が何の影響も与えない。この問題は、長い期間の懸念事項だ。彼はアメリカの影響下にあり、世界アンチドーピング機構も同じくアメリカの影響下にある。このことが最悪の問題なのだ」と語り、各国際競技連盟にロシア、ベラルーシを除外するように勧告したIOCのバッハ会長をやり玉に挙げた。 特に強烈な非難のコメントを発信したのは、新体操の元女王のカバエワ氏だ。現役時代には、まるで軟体動物のような柔らかい肉体を生かした美しい演技で“ロシアの妖精“の異名をとり、アテネ五輪の個人総合で金メダル、世界選手権では、合計9個の金メダルを獲得。日本にも何度も来日して人気を博して写真週刊誌などが特集を組んだ。