急転、北京パラから除外決定にロシア猛反発…新体操の元女王カバエワ氏は「世界のスポーツの歴史上恥ずべき1ページ」と非難
「世界のスポーツの歴史の中で、これ以上恥ずかしい1ページは存在しなかったと思います。多くの国際スポーツ団体のリーダーは、長い間、様々な口実をつけて、スポーツマンとしてふさわしくない行動をしてきました。今ではすべてが明らかになっています。世界に対する彼らの“懸念“は、クリーンなスポーツの戦いと同じくらい偽善的なのです。彼らは、かつてユーゴスラビア、イラク、リビア、シリアで、数十万人の民間人の殺戮に参加した国を大会から除外しませんでした。しかし、ロシアが、ドンバスとルハンスクをナチス(的虐待)から守ることを決めた時、スポーツ関係者は激怒したのです」 カバエワ氏は、引退後、プーチン大統領との交際を一部メディアに報道されたことがあり、その後、政治家に転身、ロシア下院の国会議員を務めるなど、現政権に非常に近い人物。それだけに発言は、まるでプーチンの代弁者のようにも聞こえる。 カバエワ氏は、さらに「スポーツ界のトップの偽善には長い歴史がある」と強調し、ソチ五輪での国家ぐるみのドーピング違反があかるみになり、その後、ロシアとしての五輪出場が禁じられ、個人資格のロシアオリンピック委員会としての出場となっていることに対しても、こう反発した。 「IOCはソチ五輪に出場したロシア選手が獲得したメダルを奪い永久失格としました。でも本当の証拠はなかったのです。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、選手を無罪にし、IOCにメダルの返還を命じました。なのにIOC、世界アンチドーピング機構(WADA)や告発者らのいずれかが私たちの選手に謝罪しましたか。28人の選手が裁判所によって完全に無罪になっていることにどうして気づかなかったのですか」 ちなみにカバエワ氏も現役時代にドーピング違反により1年間の出場停止処分を下されたことがある。 カバエワ氏は、ROCとして出場しながらも、北京五輪で活躍したロシアの選手団を称え、「ロシアは偉大なスポーツ大国になるだろう 」とした上で、IPCだけでなく、国際スケート連盟、世界陸連など、ロシアの除外を決めた様々な国際的なスポーツの組織を皮肉を込めてこう批判した。 「スポーツ団体のトップ、関係者の偽善は強力なドーピングと同じです。それは世界のスポーツの成功と質に大きな影響を与えます。偽善者の誰もトップスポーツを管理することは許されません」 そして「私たちはすべての除外措置を乗り越えると思います」という強気発言でインタビューをしめくくったという。 一方で、昨年の東京パラリンピックの砲丸投げ(低身長F40)の金メダリストのデニス・グネズディロフ(35)はロシアメディア「ガゼータ」の取材に、アスリートの立場から複雑な心境を明かしている。
「もちろん私はショックを受けています。しかし、(ロシアの)スポーツ全体がブロックされていたので予想できていました。最初に出場を許されるという判断が下されたとき私は驚きました。そして今朝、私は彼らがそれを許さないことを見てショックを受けました。みんなを残念に思います。:彼らはすでに北京にいて準備しています。私は彼らがどのような精神的なショックを受け、今、内部で何が起こっているのかも想像できます。今、彼らに挑戦するチャンスはありますか? 問題となっているのは政治なのです」 緊迫する国際情勢の激動に飲み込まれた北京パラリンピックは、今日4日に開会式を迎え、明日5日から競技がスタートする。