遺恨なし…全米メディアは”あわや乱闘”騒動での大谷翔平の冷静対処に注目「怒りの中で平然」「劇的瞬間を乗り越える」
CBSスポーツは「大谷の高め直球がアスレチックスのカナを興奮させ(両軍の)ベンチが空となる」との見出しを取り、「3回裏にアリーグ西地区のライバルチームの間で一瞬、緊張が走った。大谷から投じられた93.3マイル(約150キロ)の直球がカナの(顔面)すれすれに高く抜けカナは気分を害した。カナは大谷に対して甲高く声を出し、捕手のスズキが大谷を守るために立ちはだかりベンチも(フィールドに)総出となった」と伝えた。 3回の場面については「騒然となったが、たいていのパターン通りに、パンチが放たれることはなく、多くの選手は、ただ周りに立っているだけだった。両チームはすぐに整然とダグアウトに下がった。大谷側にぶつける意図がなかったのは明らかで、彼は『自分が悪い』と示すかのように何度か胸を叩いた。ただカナの取り乱しは当然のこと。誰も頭の近くに直球は投げられたくない」と紹介。 続く6回の死球の場面については、「カナは即座に一塁へ向かい言葉の応酬はなかった。この時点で0-0の無死一塁だった。もし大谷がカナに意図的にぶつけたのであれば理想的な状況ではなかった」と意図的でなかったことを伝えた。 その上で「大谷の防御率と奪三振のすべては輝かしいが、荒れ球が課題だった。彼はここまで6度の先発で30回1/3で22人を歩かせ、この日も先頭打者のカナを5球で歩かせた。抜け球となり、カナを興奮させた投球は残念だったが、今季の大谷にとっては珍しいことではなかった」と、大谷に制球難の課題があることを指摘した。 地元紙のロサンゼルスタイムズ紙が注目したのは、疲労や故障の再発が心配されていた大谷に球速が戻ったことだ。「大谷の直球の球速が戻った。彼は、カナとのドラマチックな瞬間を乗り越えた。この夜の登板前にあったあらゆる懸念は、試合が終わるまでにほとんどなくなっていた」と大谷の投球内容を評価した。 同紙も「大谷の登板で最大のドラマはカナに対しての2打席でもたらされた」と場内が騒然となった3回、6回の場面を紹介したが、「カナはすぐに怒りの目でマウンドをにらみつけ、両ダグアウトが総出となる中で、捕手のスズキと怒鳴り合いになった。2人は口論が発展する前に引き離されたが、試合が再開後、大谷は97.9マイル(約158キロ)の速球でカナを三振に斬ってとり、この打席は6球で終わった」と、結局、3回は、盗塁も刺しての三振ゲッツーで終わっていることに注目。ジョー・マドン監督の「私が気に入ったのはショウヘイがどのように投球を取り戻して彼を攻めていったかという部分だ」というコメントを付け加えた。同記事は6回、7回で3失点をしたことに触れた上で「それでも大谷は、最近3度の登板で2度目となるクオリティースタートを実現した。彼のシーズン防御率は2.72とほんのわずかに向上した」と投球内容を評価した。