5000円超え、1万円超えも――小学生もハマる、「高級シャーペン」というロマン #なぜ話題
「しーさーさんのチャンネル登録者数が伸びるほどに、注目の高まりを感じます。はじめは電話で受け付けていた来店予約ですが、半日以上リダイヤルしてもつながらない、というお客様もいて、もうこれはハガキ抽選にするしかないと。基本的に、ハガキはひとり一枚。来店は1組5名までにしているので、家族で来ていただけます」 北海道から沖縄まで、全国から当選した人が指定の来店日時に訪れる。 ショッピングタイムは2時間。購入できる本数は、1組につき10本まで。200種類ほどあるという木軸は、同じ種類でも木目がそれぞれ違い、絞り込むのが難しい。値段の違いは材料の希少性、木目の面白さだ。ほとんどの客が時間をめいっぱい使って、真剣に選ぶという。1本7700円から、2万円を超えるものもある。
工房には、国内外、古いものから新しいものまで、ありとあらゆる木材がストックされていた。一浩さんが好きなのはサクラと黒柿。黒柿の木には、切ると不思議な模様が入っている場合があるという。木の話をする一浩さんの目は少年のようにキラキラと輝く。 「家族連れの小中学生は多いですね。やっぱり男の子が多くて、シャーペン目当て。電車とバスを乗り継いで、自力で来てくれた高校生もいました。熱意を感じて、とても嬉しいです」 職人は3人。すべて手作業で、生産数には限度がある。注目度が上がっても追いつかない現在の状況は、ありがたい半面、申し訳なさも感じるという。
「実用品として作っているので実際に使って、その経年変化を楽しんでほしい。一過性のブームとしてではなく、ずっと長い時間をかけて大切にしてもらえるとありがたいですね。壊れたら修理もします」 2024年4月からの来店受付は、2月に準備ができしだい、同店ホームページで発表されるという。 YouTube人気に加え、過熱する中学受験傾向。低年齢化が進むシャーペンブームは、しばらく収まる気配がなさそうだ。 ___ 「#なぜ話題」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。SNSの普及などにより、活発に情報が消費される現代。そのような中で、話題になっている『事象』『人』『モノ』を深掘りして背景を伝えることで、日々の暮らしに活かして楽しめる情報を発信します。