シミの改善にも効く! 漢方薬は美容の悩みにも効果を発揮!【40代・50代、漢方の知識、基本のき⑥】
心身のさまざまな不調に効果を発揮する漢方薬。実は美容の悩みに対応するものもある。今回は、40代、50代と年齢が進むにつれ、悩みが深くなってくる肌の「シミ」に効く漢方薬をご紹介。どんな漢方薬でどのように改善できるのか、漢方医学に精通する医師、「芝大門 いまづ クリニック」院長の今津嘉宏さんに教えていただいた。
漢方医学では「シミ」をどう診断する?
年齢を重ねると、シミが目立ってくるものだが、漢方医学ではシミをどのように診断するのかを今津嘉宏先生に伺った。 「漢方医学では、まず目で見て、シミの状態を確認します(望診)。 次に、直接、肌に触れて皮膚の状態を確認します(切診)。 人それぞれ、肌の性質は異なり、色白、乾燥肌、汗をかきやすいなどと個性があり、そこにできるシミも人によって違います。例えば、頰にできるシミも、ベースになる肌の性質によってでき方が違います。 そこで、漢方医学では、その人の体質=証(しょう)を考えます。 次に、陰陽、虚実、寒熱、気血水、六病位(ろくびょうい/病気の状態)をチェックし、どんな状態のシミなのかを判断します(それぞれの診断法の詳細は、この連載の第1回<漢方は未病の段階でも治療の対象。体質や状態に合わせて処方してくれる!>を参照)。 例えば、よつばいになって背中の上から日光を浴びたときに、影になる部分は“陰”で、胸やお腹などにできるシミは、陰の性質を持っています。指でシミを触ったとき、カサカサしていて、薄いシミは、“虚”となります。 また、触れたときに熱を持っているかどうかで、寒熱を判断し、いつ頃からできたシミなのかを確認して、六病位を決めていきます」(今津先生)
六病位の決め方は?
「この連載の第4回<肌のトラブル、蕁麻疹(じんましん)も漢方薬で内側から治す!>でもお話ししましたが、六病位とは、病態の変化を6つの時期に分類したもので、病態の進行度に応じて、太陽病(たいようびょう)、少陽病(しょうようびょう)、陽明病(ようめいびょう)、太陰病(たいいんびょう)、少陰病(しょういんびょう)、厥陰病(けっちんびょう)の6段階に分けます。 例えば、虫刺されは、蚊などに刺されて、わずかな痛みを感じ、紅(あか)くかゆみが出てくるのが太陽病。紅(あか)みが増し、少し腫れてきて、かゆみも出てくるのが少陽病。 かゆみが一日中続き、かゆくて夜も眠れなくなってくるのが陽明病。かき壊してしまい、カサブタができ、シミとして残ったり、かゆみを伴った傷あとが残るのが太陰病。 かゆみはなくなるものの、少し厚みを持ったシミとなるのが少陰病。蚊に刺された跡が残ってしまい、頑固なシミになるのが厥陰病。 この六病位のどこに当てはまるかによって、用いる漢方薬が変わります」
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