副交感神経から整える。生き急がず、ゆるく暮らすアイデア集(専門家が監修)
情報とタスクに囲まれて忙しない日々を送っていると、交感神経優位になり、自律神経が乱れてしまう。では、どうしたらいいのだろう。副交感神経優位を導き、リラックスした日々を過ごすための方法「ゆる活」を学んでみよう。
教えてくれた人
福永伴子先生(ふくなが・ともことも)/クリニック浜松町院長。医学博士。日本精神神経学会認定専門医。日本医師会認定産業医。さまざまな医療機関で精神科医として従事し、2011年に女性が安心して相談できるメンタルクリニックとして、〈ともクリニック浜松町〉を開院。 * 忙しい毎日を送っていると、どうしても交感神経優位の時間が長くなる。ストレス過多、睡眠が不足気味なうえ、さらに寝る間を惜しんでハードなトレーニングをしていては、自律神経は疲弊するばかり。 普段、時間に追われていることが多い人ほど、副交感神経にスイッチを入れるために「ゆるく」生活することが大切だという。 「自分に適した副交感神経を優位にする方法を知っておくと、自律神経の乱れを予防できます」と、〈ともクリニック浜松町〉の福永伴子先生。 さあ「ゆる活」を始めてみよう!
倍速視聴をやめる
効率的に多くの動画を鑑賞するために、倍速で視聴する人が増えている。もちろん時短にはなるのだが、倍速視聴は情報が過多になり、前頭葉が情報を処理しきれないことも。好きな動画を見てリラックスタイムを過ごそうとしても、倍速で見続けると、交感神経が優位となり、カラダは緊張状態になってしまうのだ。
タイパを見直す
“タイパ”とはタイムパフォーマンスの略。自律神経を疲弊させないために、常にアクセルを踏むのではなく、緩む時間を積極的に設けたい。移動時間や隙間時間でのスマホ仕事、予定の詰め込み、マルチタスクなどが過度になっていないか、一度見直してみよう。
「Niksen(ニクセン)」
オランダ生まれのストレス解消法、ニクセン。その方法は、予定や義務感から自らを解放するために、目的を持たずに時間を過ごすというもの。芝生に寝そべる、ソファに座って好きな音楽に身を任せる、窓の外をぼーっと眺めるなど、“何もしない”時間を過ごすことで、副交感神経が優位になり、心身が休まるという。オランダでは、燃え尽き症候群に陥ってしまった人へのセラピーとしても、ニクセンが活用されている。