愛犬家必読、科学が教えるしつけのカギ、子イヌはいつ何ができるようになるのか
子イヌが重要なスキルを習得できる時期は?
犬の幼稚園では、子イヌ101匹の成長が追跡され、生後8週から20週まで2週間ごとにテストを行った。101匹すべてがラブラドール・レトリバーまたはラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックスだ。半分はデューク大学で暮らし、残りの半分はボランティアの家庭で育てられた。研究チームはさらに、221匹の子イヌを1度だけテストした研究と、比較用にオオカミの子ども37匹についての研究を補足した(犬の幼稚園では現在、新しいクラスの子イヌで研究を継続中だ)。 また、「Dognition(ドグニション)」プロジェクトを通じて、自宅でテストしたさまざまな犬種約5万匹のデータも入手した。大型犬と小型犬では発達に多少違いがあるものの、認知能力に関しては、犬種による違いは見られなかった。 その結果、子イヌの認知能力は、次のような大まかなタイムラインで発現、発達することがわかった。
記憶の発達が始まる
良いイヌになるには、スキルや過去の状況、さまざまな人や場所を記憶しなければならない。子イヌたちは生後約8週で、時間がたっても、あるいは、おやつを隠すときに音の鳴るおもちゃで気をそらされても、おやつがどこに隠されたかを覚えられるようになった(飼い主への注意:記憶が発達する前の子イヌは、悪いことをしているわけでも、言うことを聞かないわけでもない。文字通り、あなたがしてほしいことを覚えていないだけだ)。
自制心を示す
イヌが、人に従うのではなく遊びたい、リスを追いかけたいと思っているとき、正しい行動をとるためには自制心が必要だ。子イヌたちはまず、円筒の中に入れられたおやつで、開口部に回り込めば、おやつが手に入ることを覚えた。 次に、円筒を透明なものに替えた。すると、おやつは見えるが、やはりどこからでも手に入るわけではないため、子イヌたちは開口部へ回り込むことを覚えていなければならなかった。 これができるようになるタイミングを知っておけば、夜、子イヌがほえたときに反応すべきかどうかなど、トレーニングのジレンマに対処しやすくなる。「おそらく何らかの過渡期があることを、データは示しています」とヘア氏は話す。「生後13週になっていない場合、子イヌがほえたら駆け付けてください。あなたを操ろうとしているわけでも、悪い癖を身に付けようとしているわけでもなく、ただトイレに行きたいだけかもしれません」 生後13~14週ごろ、子イヌの自制心が発達したら、夜中に睡眠を邪魔されることについての対応を少し変えてもいいだろう。