岸田首相が会見「令和版所得倍増を目指す」(全文2完)改憲に向け、国民の理解を広げる
公約に示した安全保障政策をどう進めるのか
朝日新聞:朝日新聞の池尻と申します。お疲れさまです。選挙戦では安全保障政策を巡って、いわゆる敵基地攻撃能力の保有とか、あと防衛費についてGDP比2%を念頭にというような話がありまして、それが、公明党と意見がかなり食い違っているように見られます。こうした自民党の公約に示された安全保障政策は公明党と食い違うのか、実現に向けてどのように進めるのか、もしくは、これはなかなか難しいのではないかと思いますけど、首相のお考えを教えてください。 岸田:まず1点目の敵基地攻撃については、今回の選挙、まさに選挙戦の初日に北朝鮮の弾道ミサイルが発射される、なおかつそのミサイルも技術がどんどん進化している。極超音速ミサイル、あるいは不規則軌道ミサイル等、さまざまな新たな技術が指摘をされている。こういった状況でありますので、この国民の命や暮らしを守るために、わが国として国家安全保障戦略をはじめ、基本的なこの戦略からしっかりと見直しながら、現実的に国民の命や暮らしを守れるかどうか。これを不断に検討していくことが大事であると思っています。 その中で敵基地攻撃の議論、これは大変古くからある議論ではありますが、一方で、この技術の変化とともに、この中身も変化している。こういったことでありますので、このさまざまな選択肢の1つとして、こうした選択肢もしっかり議論していくべきではないか、このように申し上げてきたところであります。いずれにせよ大切なのは、この変化する国際情勢の中で、高度化する技術の中で、本当に国民の命や暮らし守り切れるのか、その体制ができているかどうか、これを不断に検討していく。その際に、さまざまな選択肢、これをしっかりと用意して議論することが大事である、こういったことが申し上げていることのポイントであります。
予算ありきであってはならない
そして防衛費、2%という部分については、あれは、要は予算がありきではないということを申し上げた部分であると思っています。今言いましたさまざまな安全保障上の技術、宇宙とかサイバーとか、一時代前であるならば、これはSF小説の話だったものが今まさに現実になっています。こうした変化する情勢の中で、本当に国民の命を、暮らしを守るために何が必要なのか、その際に予算ありきであってはならない。必要なものをしっかりと現実的に、現実をしっかり見据えた上で考えていく。こういった考え方を示したものであると思います。こうした必要な、この安全保障の議論という点においては与党としてしっかり議論を行っていくことが大事であると思っています。ぜひ公明党の皆さんにもご理解いただけるように、丁寧に議論を進めていきたいと思っています。以上です。 司会:それでは以上をもちまして岸田総裁の記者会見を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。 岸田:ありがとうございました。それでは、ありがとうございました。 (完)【書き起こし】岸田首相が会見「令和版所得倍増を目指す」