岸田首相が会見「令和版所得倍増を目指す」(全文2完)改憲に向け、国民の理解を広げる
改憲に向け、どのようなスケジュールを描くのか
産経新聞:産経新聞の永原と申します。憲法改正についてお伺いします。先ほど総裁は改憲に精力的に取り組むとおっしゃいました。今回の衆院選では、自民、公明、維新の憲法改正に賛同する改憲勢力の議席数が3分の2に達しています。改憲発議に向けた環境は整いつつあると思いますが、自民党は改憲を結党以来の党是と掲げながら、3分の2を得ていた近年でも発議には着手できておりません。総裁として、今後、具体的にどのようなスケジュールを描くのか考えをお伺いします。 岸田:憲法改正に向けては、国会議員の3分の2の発議と併せて、国民投票による2分の1の賛成、こうしたものが要件として定められています。国会において、より具体的な議論を深めて、賛同する方々を増やしていく、これは大変重要なことでありますが、併せて国民の皆さんの理解、協力、これも欠かすことはできません。私も自民党の政調会長を務めていた時代に、地方政調会等でこの憲法に関しまして多くの皆さんと対話を行ってきました。国民の皆さん、大変前向きに受け止めていただいたと思っていますが、まだまだ前向きな方向で国民の皆さんの理解を広げていく余地はたくさんあるとも感じています。ぜひ国民の皆さんの理解を深め、そしてそれが国会議員の行動にも影響してくる、国会と国民の理解、両方を並行して進めることによって、先ほどお示しした国会議員3分の2、国民投票2分の1、こうした要件をクリアして結果につなげていきたいと思っております。 司会:続いてどうぞ。2列目。
新たにどのような声を岸田ノートに書き留めたのか
東京新聞・中日新聞:東京新聞・中日新聞の山口と申します。よろしくお願いします。岸田総理は衆院選の街頭演説でたびたび国民の声を書き留めた岸田ノートを聴衆に向けて掲げておられました。今回の衆院選を通じて国民のどのような声を新たに書き留めたのかお聞かせください。また、財務省公文書改竄を招いた森友問題ですとか、参院選広島選挙区を巡る大型買収時件など、国民の政治不信を増幅させた安倍・菅政権の政治と金の問題ですとか説明しない政治など、負の遺産にどう向き合うのかについても衆院選の争点となりました。ではその岸田ノートには、その負の遺産についてどのように書かれているのでしょうか。再調査や真相究明などを指示するお考えがあるのかも含めて、あらためてお願いいたします。 岸田:まず選挙期間中に岸田ノート、どんなことを書き留めたのかという質問につきましては、選挙期間中も国民の皆さんとの車座対話、各地で行わせていただきました。農業関係者であったり、あるいは飲食業関係者、あるいは介護、あるいは保健、こういった分野で学ぶ学生さんですとか、いろいろな方々とお話をさせていただきました。その中で貴重なお話を聞き、ノートに書き留めさせていただきました。コロナによる米の値段の激減ですとか、あるいは学生さんの中からは、コロナ禍でこの2年間の学生生活、ほとんど実習もできずに学生生活を十分に活用することができていない、こうした不安の声、社会に出たときの不安の声など、さまざまな声も聞かせていただきました。飲食業の皆さんについては、緊急事態が解除されたこと、これは前進だとは思うけれど、これから先、人繰りの問題、あるいは、この借金の中で事業をこれからさらに再稼働させる際の心配など、具体的な心配をいろいろ聞きました。こういったものをノートの中に書き込ませていただきました。