井岡一翔ドーピング禁止薬物検出問題がJBC結論次第で泥沼訴訟合戦に発展する危険性も
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、Ambition)が大晦日に行った元3階級制覇王者、田中恒成(25、畑中)とのタイトル戦のドーピング検査で大麻(マリファナ)を含む複数の禁止薬物の陽性反応を示していた問題が、JBC(日本ボクシングコミッション)による対処の不手際により泥沼の訴訟合戦に発展する危険性が出てきた。 JBCは27日、これだけ大きな騒動になっているにもかかわらず記者会見は行わず、永田有平理事長名で、プレスリリースを発表した。全文を掲載すると、以下のような短いもの。 「井岡一翔(Ambition ジム)選手に関して報道がなされておりますが、現在、倫理委員会にて 調査、審議を行っております。 JBCといたしましては、当該倫理委員会の審議に影響を及ぼすことを避けるために、現時点においてはこれ以上の発表は差し控えさせていただきます。 尚、当該倫理委員会の結論に至りました段階で、速やかに報告する所存でございます。以上」 不備のあるプレスリリースだ。 今回の問題は、26日に「デイリー新潮」「FLASH」の報道により明るみに出て、THEPAGEを含む複数のメディアが“後追い”記事を掲載したが、それぞれの記事内容が微妙に違っており、JBCの言う「関しての報道」が何を示すものかがさっぱりわからない。 さらに倫理委員会での調査、審議をいったい何について行っているかも明らかにされていない。今回の井岡のドーピング禁止薬物検出問題でJBCは、様々な不手際をしてきたが、図らずも、このとうていプレスリリースとは言えない不備のあるリリースを公式に出したことで、組織にガバナンスが不在であることを如実にさらけ出すことになってしまった。 一方の井岡陣営は代理人弁護士が26日に文書で取材対応。27日には所属事務所であるトラロックエンターテインメント株式会社が同社の公式SNSで以下の声明を出した。 「弊社所属の井岡一翔に関して、ドーピング検査での大麻陽性報道がなされております。井岡は、大麻等の不正薬物、違法薬物を摂取したことは一切ありません。ただし、井岡が使用していたCBDオイルから大麻成分が検出された可能性はあります。警察の聴取にも応じましたが、警察からは捜査は終了したとの報告を受けております。JBCからは倫理委員会を開催する旨の連絡を受けており、井岡の潔白は、倫理委員会で主張していくことになります。報道によってお騒がせしておりますが、井岡は次戦に向けてトレーニングを続けていきます」 改めて潔白を訴えた。