なぜ井岡一翔のドーピング禁止薬物”大麻”検出が約4か月後に問題となったのか…JBCが緊急事情聴取予定も広がる疑念と困惑
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、Ambition)が大晦日にTKOで防衛に成功した元3階級制覇王者、田中恒成(25、畑中)とのタイトル戦のドーピング検査で大麻(マリファナ)を含む複数の禁止薬物の陽性反応を示していたことが26日、THE PAGEの取材により明らかになった。 ドーピング検査で検出された禁止薬物の中に違法薬物である大麻成分が含まれていたためJBCが警察に相談したことで当局が捜査に動き、井岡の代理人である服部真尚弁護士によると、井岡自身が事情聴取も受けた。警察からは「ドーピング検査で大麻が出た」と伝えられたが使用していた合法のオイルの大麻成分が検出された可能性はあるという。 井岡サイドが異議を唱えた場合の再検査用に保管してあったB検体も警察に押収されて捜査されたが、立件されることはなく、井岡サイドには「捜査は終了した」との連絡が入った。 違法薬物と禁止薬物は別問題。ただ禁止薬物は検出されたが、ドーピング違反を確定するための正式な手続きは取られておらず、JBCは、5月早々に井岡本人から詳しく事情を聞いた上で、倫理委員会を開き、違法性の有無、処分を決める方針を固め、井岡サイドにも文書で通達した。 今回の倫理委員会は、特例としてメンバーである理事以外の弁護士やドーピング問題に詳しい有識者などを集めた“第三者委員会“的なものにして判断を委ねる考えだが、服部弁護士は、「大晦日の試合に限らず、井岡がこれまでに、違法薬物、不正薬物を摂取した事実は一切ありません。身に覚えがないことで困惑しております」とハッキリと潔白を主張した。 今回の井岡のドーピング疑惑は、週刊誌の「デイリー新潮」と「FLASH」が第一報を報じて明るみに出たが、すでに様々な疑念と困惑の声が飛び交っている。 まずJBCの対応の遅れと対処の不手際だ。 1月上旬にA検体からの禁止薬物の検出が発覚したが、これまで井岡サイドには一切、報告されなかった。今回、倫理委員会の開催と井岡への事情聴取の通達がされたのも、わずか数日前。その文書には、どういった禁止薬物に陽性反応が出たかも示されておらず、井岡の代理人弁護士は、「当方はJBCからドーピング検査の結果について、なんら報告を受けておりません。薬物が検出されたとの事実を最初に聞いたのは、警察とマスコミからです。したがって、検査で薬物が検出されたことが事実か否かの確認ができておりません」とした上で、「JBCの一連の行為は、適正手続から大きく逸脱したものと感じています。JBCに対しては疑念しかありません」と不信感を抱いた。