浅野拓磨がトルコのトラブゾンスポルと契約合意と現地報道も…パルチザンの抵抗で見えない先行き
度重なる給与の未払いなどを理由に、セルビアの強豪パルチザンとの契約をシーズン終盤で電撃的に解除した日本代表FW浅野拓磨(26)の新たな動きが明らかになった。 トルコのスュペルリグで6度の優勝経験をもつトラブゾンスポルと来シーズンからの2年契約で基本合意に達したと同クラブが本拠地を置く黒海沿岸の都市トラブゾンの日刊紙『Karadeniz』が現地時間9日に報じた。 残り2試合となった今シーズンのスュペルリグで、トラブゾンスポルは4位でのフィニッシュがすでに確定している。ただ、38試合であげた総得点47は、勝ち点3ポイント差にひしめくなかで三つ巴の優勝争いを演じている首位ベシクタシュの86、2位フェネルバフチェの69、3位ガラタサライの73に大きく水を開けられている。 合計の優勝回数が実に56度を数える、首都イスタンブールに本拠地を置くビッグ3の牙城を崩し、1983-84シーズンを最後に遠ざかっている優勝を手にするためには、決定力不足の解消が急務だとトラブゾンスポル側は判断。パルチザンとの契約を解除した今月2日の時点で、リーグ2位の18ゴールをあげていた浅野に白羽の矢を立てた。 パルチザンが本拠地を置くセルビアの首都ベオグラードをすでに離れている浅野は、同紙によれば契約解除からほどなくしてトラブゾンへ移動。交渉が基本合意に達した後は国内外の数多くのクラブがキャンプを張る都市としても知られる、トルコ南西部のリゾート地アンタルヤでオフを取りながら心身をリフレッシュさせているという。 トラブゾンスポル側がスピーディーな動きを見せてきた背景には、2022年夏まで結んでいたパルチザンとの契約解除を介して浅野が所属クラブなし、いわゆるフリーの立場となり、獲得にあたって移籍金が発生しなくなった状況があげられる。 しかし、浅野の電撃的な契約解除を「契約条項に違反する、自発的でまったく根拠のない退団」と激しく非難してきたパルチザン側は、依然として徹底抗戦する姿勢を崩していない。同紙はパルチザンがトラブゾンスポルへ発した、500万ユーロ(約6億6000万円)とも言われる移籍金を踏まえた警告の内容も具体的に報じている。 「明確な契約違反であり、我々はFIFA(国際サッカー連盟)の管轄機関に提訴する。浅野と契約するクラブには、我々が設定する移籍金を支払う義務が生じる」 パルチザンで2年目のシーズンを終えようとしていた浅野は今月2日に、自身の公式ラインブログ、ツイッター(@AsaTaku29)、インスタグラム(@asatakugram)をそれぞれ更新。投稿のなかでパルチザンを退団した理由を、英語と日本語の両方で説明した。 「この決断をするにあたり、凄く悩みましたがクラブによる度重なる給与等の未払い、またそれに対する不誠実な対応によりクラブからのリスペクトを感じられなくなってしまった事がこの決断の理由です」(原文ママ)