海外メディアも「さらに世論反発を招く」と批判…火消しどころか森会長の謝罪会見は東京五輪開催への”逆風”
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が4日、都内で会見を開き、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などの女性蔑視発言をしたことを謝罪、撤回した。だが、自らの進退については辞任する考えはないことを表明。メディアとの質疑応答では”逆ギレ”発言を連発させネット上は大炎上。火消しどころか火に油を注ぐ形となり五輪開催に向けて「世論」を高めたかったはずが逆効果となり、海外メディアもこの謝罪会見と辞任否定が問題の解決にならず、さらなる世論の反発を招く可能性を指摘した。
「そういう話はもう聞きたくない」
“謝罪会見”は午後2時にスタートした。東京五輪組織委員会トップの女性蔑視とも取れる発言が世界中を駆け巡り放置しておけば大変なことになると判断してのスピード対応である。 その対応は評価できるが、約20分間に及んだ肝心の謝罪会見は、逆効果になってしまった。森会長は、会見の冒頭では、神妙に発言を撤回して謝罪した。そして自らの進退についての考えを聞かれ「辞任するという考えはありません。私は一生懸命、献身的にお手伝いして7年間やってきたわけですので自分からどうしようという気持ちはありません。 みなさんが邪魔だと言われれば、おっしゃるとおり、老害が粗大ゴミになったのかもしれませんから。掃いてもらえればいいんじゃないですか」と、皮肉をこめて辞任を否定した。 謝罪会見の様相がおかしくなってきたのは、質疑応答で聞かれたくない部分をつつかれ始めてから。「女性の話は長いと思うのか」と聞かれ「最近女性の話を聞かないからあまりわかりません」とはぐらかし、TBSラジオの記者が「いくつかうかがわせてください」と切り出すと、のっけから「いくつかじゃなくて一つにして下さい」と喧嘩腰。 「オリンピック精神に反するという話もされていたが、そういった方が組織委員会の会長であるのは適任なんでしょうか」と聞かれると、「さあ?あなたはどう思いますか」と逆に質問。 その記者が「私は適任ではないと思う」とハッキリと私見を口にすると、「じゃあ、そういう風に承っておきます」と、ぶすっとした。 さらに女性蔑視発言について詳しく突っ込まれると本格的にキレはじめ、その質問が続くと「そういう話はもう聞きたくない」と開き直った。会見を仕切っていた組織委員会の人間が「冒頭、発言の内容に関しては明示的に会長から説明がありました」と“助け船”を出すと、「面白おかしくしたいから聞いているんだろう?」と荒唐無稽の批判。「何を問題と思っているか聞きたいから聞いているんです」と、突っ込まれると「だからさっきから話しているとおりです」と言い返した。