だから「片道2時間の電車通勤」を週3で続けられる…「92歳の現役栄養学者」がランチで必ず食べる"長生き食材"
■栃木の自宅から“片道2時間”通勤 帰りの時間はまちまちですが、大学院のセミナーがあるときは遅くなります。セミナーが終わるのが夜7時半頃ですから、自宅に到着するのは10時くらいです。懇親会がある日などはもっと遅くなることもあります。 実は1998年4月から2018年11月までの約20年間(66歳から86歳まで)、大学の近くにアパートを一人で借りて、自炊しながら大学に通っていました。 戦中戦後の食糧難の時代、一時期、母と姉は別の場所で暮らしていたので、私たち男兄弟は自分たちで炊事をしました。そのため、今でもうどんからパンまで自分でつくることができます。 当時は、水道もガスもなく、薪でご飯を炊き、遠くにある魚屋、八百屋で食材を買わなければなりませんでした。その頃に比べれば、現代は調理済みの食品もあれば、炊飯器、電子レンジといった便利な道具もありますから、自炊するのは簡単です。 どんなに健康であっても、保証人がいても、90歳前後となると、なかなかアパートを借りるのが難しく、今は栃木県にある自宅から、大宮駅まで出て、そこから川越線に乗り換えて川越駅まで行って、さらに東武線に乗り換えて坂戸駅まで、片道2時間、往復4時間かけて通っています。 ご存じのとおり、宇都宮線、川越線、東武線は事故で遅れることも多く、そんなときはすぐに満員になってしまうのには少しだけ閉口してしまいます。 ■忙しい朝は手軽に食べられるものでいい 先ほど朝食の話が出ましたので、朝食でとるべき栄養素についてお話ししておきましょう。 「香川は栄養学を専門としているのだから、手間暇かけた料理の話になるのだろう」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、朝の忙しい時間に用意する朝食は手軽に食べられるもので構いません。冷凍食品、レトルト食品なども活用してバランスのよいメニューにすればいいのです。 また、夏場は保管方法に注意する必要はありますが、前日の夕食の残り物だって立派な朝食になります。私のアパート暮らし時代の朝食については、第3章で具体的に紹介しています。 では、そもそも朝食でどのくらいのカロリーを摂取するとよいでしょうか。1日1700~2000キロカロリーと考えるなら、朝食ではその4分の1が目安になります(450~500キロカロリー)。 バランスのよい食事をとるには、次の4つの食品群を参考にしてください。一度にすべてを網羅する必要はなく、1日の中でバランスをとることをおすすめします。図表2は四群点数法と呼ばれるもので、具体的に何を何グラムとればよいかの目安が示してあります。 1~4群のリストを見ても、具体的なメニューはなかなか思い浮かばないと思いますので、「主食」「おかず」「汁物」といった区分で食品群を見てみましょう。 ---------- 【主食】白米、おむすび、パン、サンドイッチ、シリアル →主に4群に該当 【おかず】ゆで卵、目玉焼き、卵焼き、ハム、ベーコン、ウインナー、豆腐、納豆、鮭の切り身、あじのひらき、ちくわ、かまぼこ →1、2群に該当 【汁物】味噌汁、野菜スープ →1、2、3、4群に該当 【付け合わせや小鉢類】サラダ、焼き芋、煮物、のり →2、3群に該当 【飲み物】野菜ジュース、牛乳、コーヒー(+牛乳) →1、3、4群に該当 【デザート類、果物類】りんご、バナナ、いちご、ヨーグルト →1、3群に該当 ---------- また、外食が多い方は栄養素に偏りが出やすい傾向がありますので、野菜類や芋類や豆類をとるように心がけてください。