プレミアリーグで輝きを放つ「カウンターのスター」メガクラブ打倒を可能にするエースたち
【メガクラブ打倒は夢ではない】 ウッドと同じく11ゴールを叩き出しているブライアン・ムベウモ(ブレントフォード)も、カウンターのスターとして注目されている。 ブレントフォードは第19節時点で12位と順位を落としているが、以前は上位に食い込んでいた。その旗頭がムベウモだ。 フランス生まれの25歳。フランスのアンダー世代代表だったが、カメルーン代表を選んだ。171㎝と小柄ではあるが体格がよく、パワーとスピードに恵まれている。ウッドとは違ってウイングまたはセカンドトップのポジション。左利きで右サイドを主戦場とする技巧派だ。プレスを外してカウンターの流れを作り、さらにカットインからの左足のシュートがすばらしい。 チャンスを作る、チャンスを決める能力が非常に高く、利き足は違うがアタランタのエースでナイジェリア代表のアデモラ・ルックマンにも劣らない欧州屈指の才能の持ち主だ。トリッキーなボールタッチ、ドリブル、パスでの打開力に優れ、カウンターでその威力を発揮している。 ブレントフォードでは同じフランス生まれのヨアヌ・ウィサ(コンゴ民主共和国)と強力コンビを組む。この2トップも献身的な守備を見せ、引く時には自陣ペナルティーエリアの外まで下がって守る。そこから敵陣へ駆け上がって、フィニッシュへ持っていく走力があるのはウッドと同じ。 現代のカウンター型チームにはこの手のアタッカーが必要で、その人材を得ているチームにとって打倒メガクラブは全く夢ではなくなっている。 連載一覧>>
西部謙司●文 text by Nishibe Kenji