プレミアリーグで輝きを放つ「カウンターのスター」メガクラブ打倒を可能にするエースたち
【カウンターのエースたる理由】 堅守とカウンターでメガクラブを脅かすチームにとって、必須になるのがカウンターの威力である。ボール奪取地点が低いので、そこからのカウンターを仕上げるにはひとりでやりきる力を持ったFWが必要だ。 コール・パーマー(チェルシー)と並ぶ12得点でランキング3位のアレクサンデル・イサク(ニューカッスル)は、まさに単独でフィニッシュまで行けるタイプ。だが、フォレストのトップを張るクリス・ウッドはそこまで突破力に優れているわけではないものの、現在11得点で得点ランキングの5位。 ニュージーランド生まれのウッドは33歳。2009年にウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)のアカデミーからプロ契約した後、6つのクラブへのローン移籍の後にレスターに移籍。さらにイプスウィッチ、リーズ、バーンリー、ニューカッスルを経てフォレストへたどり着いた苦労人。昨年10月には最多4ゴールでリーグ月間MVPに選出される大活躍だった。 191㎝と大柄でガッシリした体格。シンプルで確実なプレーぶり。英国の古典的センターフォワードのタイプである。驚くような技巧はないかわりに、ロングボールをしっかり収め、あるいはカウンターの流れを止めないプレーができる。自陣に引いて守備を行ないながらカウンターで出ていく走力もある。周囲と連係しながらゴールに迫り、正確なフィニッシュで仕留める。 パワーと高さが武器のストライカーは、昔のイングランドならどのチームにもいたものだ。しかし、ウッドをはじめ現代の190㎝級のFWはずっと走力があり、カウンター時にボールを拾える。 そこまでできれば、彼らの重さが武器になる。メガクラブはボールを支配して押し込み、CBが敵陣の半分くらいまで上がってくるので、カウンターアタックは非常に効果的だ。ただ、カウンターされる側は危険であるがゆえにファウル覚悟で止めようとする。そこでコンタクトされても影響しない、多少のファウルでは止まらないFWは大きな脅威になるわけだ。 ウッドは1対1で抜き去らなくても、ボールを失わないだけで上がりすぎていた相手にとっては即決定的なピンチにつながる。いくらうまくて速くても、ファウルで止められるならピンチは消せるが、そうでないFWは極めて厄介なのだ。