レスと離婚は、誰にでも平等に訪れる。起業に成功したIT社長が、失った代償は「夫婦の絆と熱情」
世界でも類を見ない人口減少社会を迎えている日本は「失われた30年」と呼ばれるように、年々、経済が弱体化したことも少子化の要因となっていわれています。 【データ】レスの割合は? 年齢別の目的は? それと同様に深刻な課題のひとつが日本人の没性交渉の常態化です。 25年ぶりに実施された『性機能障害の全国実態調査に関する報告』(2023)によれば、年齢別EDの有病率は50歳以上が41.7%、また性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです こうした社会課題について男性側の視点から執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#18】
ショウさんのケース 結婚と出産までの経緯
今日は、レスをきっかけに離婚されたというショウさん(仮名・47歳 : IT企業社長)にお話を伺いたいと思います。まずはどのような経緯で結婚されたのか教えていただけますか? 「実は、私たちは『できちゃった婚』だったんです。妻と付き合い始めて1年ほど経った時に、妊娠していることがわかりました。当時、私は30歳で妻は27歳、結婚はもう少し先のことだと考えていましたが、娘ができると知ってすぐに結婚を決めました。正直なところ、私たちの結婚生活は娘が生まれることで始まったんです」
幸せな家庭のスタートと、その後の変化
無事に娘さんが生まれてから、どのような変化がありましたか? 「娘が生まれた瞬間は、父親としての喜びが大きかったですね。私たちの家庭は新しい命によって一層幸せに満ちていると感じました。けれど、同時に私たち夫婦の関係は、育児に追われる中で徐々に変わり始めたのも事実です。娘が生まれてからしばらくは、妻と私の関係は完全に育児中心になり、二人の時間はほとんどなくなってしまいました。とはいえ、多くの家庭が同じかなと思い、あまり気にしていませんでした」