【米国市況】円が一時139円台、約1年ぶり-FOMC控えテク株下落
(ブルームバーグ): 16日の外国為替市場で円の対ドル相場は、一時約1年ぶりに1ドル=139円台に突入した。ドル指数は下落し、1月以来の安値に沈んだ。市場は大幅な米利下げの可能性に備えている。
円は日本が祝日で流動性が低かったこともあり、アジア時間に139円58銭まで上昇。その後は上げ幅を縮小し、140円台後半で推移した。ドル指数は4営業日続落し、7月初旬以来の最長下げ局面となった。
今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想される利下げの幅について、金利スワップ市場では25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)予想を抑えて、50bp予想が勢いを盛り返している。
米利下げ幅、50bp予想が25bpより優勢-債券市場で織り込み深まる
バークレイズの外為ストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コニング氏は、ドルに関する「ポジション動向が大規模にシフトした」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「最大限のドル強気から、最大限のドル弱気に転じたことが、当社のセンチメント指標で示されている」と述べた。
ウェストパックの通貨戦略責任者リチャード・フラヌロビッチ氏は、円相場は今後1-3カ月で1ドル=137-138円まで上昇する可能性が高いと予想した。米金融当局がハト派的である一方、日本銀行がタカ派的なためだという。
円相場、年内に1ドル=137円まで上昇へ-ウェストパックが予想
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)・インベストメント・マネジメントのマクロ・投資ストラテジスト、アニンダ・ミトラ氏は、市場が積極的な米利下げを織り込むのに伴い、円は一段のボラティリティーに見舞われ、さらに上昇する可能性があると指摘した。ただ、年末までには1ドル=140円になるとの見通しを示した。
その上で、円が持続的に上昇するには、リフレーションが円安や供給ショックへの依存度を弱め、国内要因であるインフレ持続の兆候増加や業績の伸び継続が必要になると、ミトラ氏は分析した。