【米国市況】円が一時139円台、約1年ぶり-FOMC控えテク株下落
米国債
米国債は長期債を中心に上昇。一方でFOMC決定を控え、短期債の取引が引き続き活発だった。
モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット氏は、米利下げサイクルの開始に投資家が備える中、株式と債券はともに積極的な織り込みを進めているようだが、先行きの道筋については見解が異なっていると分析した。
「株式は、労働市場や消費に大きな混乱を来すことなく2桁の増益を達成できるとの見方に基づいた『完璧なソフトランディング』を織り込んでいる」と指摘。「一方で債券が大きく上昇しているのは、リセッション(景気後退)を示唆し、米金融当局が『後手に回っている』ことを暗示している」と述べた。
債券が「正しい」場合、株式は利益減少により下落に見舞われると、シャレット氏は予想。債券が「間違っている」場合は、金利が再び上昇し、バリュエーションへの向かい風になると続けた。
原油・金
ニューヨーク原油先物相場は急反発。米大幅利下げ観測が高まったことに加え、リビアの石油輸出の落ち込みが続いていることが追い風となった。
中央銀行の支配権を巡り内紛が続くリビアでは、国連主導の協議でも行き詰まりを打開できなかった。そのため、石油産業にも影響が及び、輸出量が大きく減少している。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏によると、市場は今週のFOMC会合に加え、先週のハリケーン上陸でメキシコ湾の原油生産に引き続き影響が出るシナリオにも備えている。
米当局によると、メキシコ湾一帯では依然として約12%の原油生産が止まっている。
メキシコ湾岸での生産停止に加え、「米金融当局による50bpの利下げも見込まれるため、少なくとも短期的には買い手が戻ってきている」とキスラー氏は述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は、前営業日比1.44ドル(2.1%)高の1バレル=70.09ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は1.6%上げて72.75ドルで引けた。