ついに実現ビッグマッチ!WBO王者の井岡一翔は「人生で一番強い相手」IBF王者アンカハスとの12.31統一戦に勝てるのか
井岡はWBC世界ミニマム級王者時代の2012年にWBA世界同級王者の八重樫東(大橋)と統一戦を行い判定勝利して統一王者となった経験がある。2階級での統一王者となれば、4階級制覇に続く日本人初の偉業。「考えれば考えるほど凄いこと。(統一戦には)違った景色を見たような感覚がある。別格なものがある」と言うが、ここはゴールではない。井岡には、さらなる目標がある。世界で過去7人しか達成していない4団体統一の野望だ。 「僕が勝ってIBFを取ると2人の選手が2本のベルトを持つ。エストラーダにオファーしたい。(4団体統一が)かなりぐっと現実味を増すんじゃないか」 現在WBA世界スーパーフライ級スーパー王者、WBC世界同級フランチャイズ王者がエストラーダ。ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とのダイレクトリマッチが予定されており、2つのベルトの行方は不透明だが、4団体統一戦が実現して勝利すれば、WBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)よりも先に4団体統一を成し遂げることになる。 だが、32歳の井岡は、一方で「負ければ引退」の十字架をも背負っている。 「いつもそう。ボクシングキャリアの中で負けると終わりに近づくという緊張感を持ってやっている。今回、負けてしまうと自分のビジョンから遠くはなれてもうボクシングができなくなるかもしれない。だから今回も変わらず勝つ」 12月は日本ボクシング界が誇る“ビッグ3”が揃って世界戦を行う。井上尚弥は14日に両国国技館でアラン・ディパエン(タイ)と防衛戦、29日にはさいたまスーパーアリーナでWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)がIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との世界が注目している統一戦を戦う。だが、井岡に対抗意識はない。 「“意識がある”という答えを求めていると思うが(笑)。自分のことで精一杯。自分は自分。自分の表現、見せ方がある。(他の2試合が)いい刺激になればいいが、とくに意識はしていない」 すでに根岸で週末ペースで消化していた走り込みも終わり本格的なスパーリングもスタートしている。 「この試合に向けて調整できることに感謝して楽しんでいい状態を作っていきたい」 これがプロ30戦目。井岡にとってボクシング人生最大の戦いが始まった。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)