なぜ拳四朗陣営はバッティング問題のJBC回答に再抗議したのか…WBC“再戦指令”を伝達しないJBCに矢吹陣営も不信感
プロボクシングの前WBC世界ライトフライ級王者、寺地拳四朗(29、BMB)が所属するジムの会長で、実父の寺地永氏が8日、京都・城陽市内で、辻口信良弁護士と共に会見し、10回TKO負けを喫した9月の矢吹正道(29、緑)との世界戦でのバッティング問題に関しての日本ボクシングコミッション(JBC)の回答に対して再抗議した。 9月の世界戦で拳四朗は9回に右目上を大きくカットしたが、パンチによるヒッティングによる傷だとレフェリーが判断した。流血がひどくなれば、試合を止められTKO負けとなるため、寺地は10回に勝負をかけたが、終盤に失速し、逆に返り討ちにあいTKO負けを喫した。 寺地陣営は、その後、映像などをチェック。右目上のカットがパンチによるものではなく故意のバッティングであったと確信して、先月5日に、この世界戦をローカルコミッションとして統括管理していたJBCに「パンチではなく故意バッティングによるものではなかったか。判定を覆すことや無効試合を求めるわけでないが、故意バッティングであれば減点となる。見解を聞かせてもらいたい」との質問状を内容証明で送付していた。 これに対するJBCの回答は、返答期限とした3週間後の10月28日に届いたが、「JBCの調査では、当該負傷が矢吹選手の反則(バッティング)によるものか、有効打によるものかの判断には至らず、レフェリーら現場における判断としては不合理とまでは認められなかった」というもので、主張していた故意バッティングは認められなかった。 辻口弁護士は「グレーな回答」と不満を訴え、寺地会長は、「納得がいかない」と怒り心頭で、この日、改めて会見を開き、再度、JBCの回答と、その姿勢に対しての不信感を明かした。 「JBCの不誠実さをかいま見ることになった。基本的に(ボクシングにおける)バッティングは、交通事故みたいなもの。だが、あそこ(9回)でのバッティングに関しては、拳四朗が止まっていた。交通事故でいえば10ー0でこちらが被害を被ったにもかかわらず、“レフェリー判断に特段の問題はない”と(JBCが)回答したことに憤りを感じる。(10回TKO負けの)結果に対しての文句は言っていない。あの9ラウンドのバッティングをレフェリーがヒッティングと判断したことを、後からでも“間違いでした。すみません”と言ってもらえれば済む話。それを(弁護士の文書で)ややこしい言い方をしてくると感情的にならざるをえない。コミッションのあり方に問題を覚える。態度を直してもらいたい」