100億円マッチも夢ではない?!井上尚弥の日本ボクシング界初となる12・14防衛戦のPPV配信は成功するのか
WBA世界バンタム級スーパー、IBF同級王者の井上尚弥(28、大橋)が12月14日に両国国技館でIWBA同級8位、IBF同級5位のアラン・ディパエン(30、タイ)を相手に約2年ぶりに国内で行う防衛戦が「ひかりTV」と「ABEMA」のPPV(ペイ・パー・ビュー、有料配信)で同時に生配信されることが18日、発表された。谷口将隆(27ワタナベ)が挑むWBO世界ミニマム級タイトルマッチを含めて全7試合が配信され、料金は「ひかりTV」が3960円、ABEMAはクレジット決済が3300コイン(3960円相当)、アプリ決済が4720コイン(5664円相当)。 全米のビッグマッチでは主流のPPVだが、日本のボクシング界でメジャーのプラットホームを使って行われるのは初。画期的な挑戦に会見に出席した井上も「時代も変わって、これからはボクシングを見るならPPVという流れになっていく。その一発目を成功させたい」と意気込んだ。
全米では約506億円を売り上げた試合も
「歴史的なことで感無量」 会見に同席した大橋秀行会長の言葉がすべてを物語っている。 日本のボクシング界の歴史が動く。ついに本格的なPPVが日本のボクシング興行に導入されるのだ。しかも、視聴できるプラットフォームが2つ。これも異例だ。週間視聴者数約1500万人を誇るABEMAサイドは、同局が配信しているコンテンツの格闘技、アニメ、恋愛リアリティショーなどが「若い人たちに支持されている」と強調していたので、視聴者の層が違うことから棲み分けすることになったのだろう。 「ひかりTV」は、これまでも井上をスポンサーとしてサポートしており、大橋会長と同メディアが意見交換を続けてきた中で、今回の日本のボクシング界初となるPPV配信が決定した。 全米では1980年代後半から一般化してきたPPVは、ボクサーが高額所得者に名を連ねる巨額なファイトマネーを生み出すビジネススタイルを作った。過去の最高契約件数は2015年5月のフロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)対マニー・パッキャオ(フィリピン)のWBA、WBC、WBO世界ウェルター級の3団体統一戦の460万件。化け物みたいな数字だ。視聴料金は99.95ドル(約1万1000円)に設定されていたので、それだけで約506億円を売り上げたこととなる。 今回の目標件数について、NTTぷらら兼アイキャストの永田勝美社長は「具体的数値は差し控えるができだけ多く販売したい」と言葉を濁した。 先月、総合格闘後「RIZIN」が他のプラットフォームで配信した朝倉未来の試合にアクセスが殺到し配信トラブルが起きたが、ABEMAの藤井琢倫制作局長が「対策は万全。100万アクセスまでできる」と発言したことを受けて、大橋会長は「100万まで大丈夫と聞いてホッとしている。視聴数は注目される」と、100万件という数字に反応した。