ついに実現ビッグマッチ!WBO王者の井岡一翔は「人生で一番強い相手」IBF王者アンカハスとの12.31統一戦に勝てるのか
これまでの試合前にはビッグマウスが定番だった。昨年大晦日の田中恒成戦の前には「格の違いを見せつける。レベルが違う」とまで豪語した。だが、今回は、そのビッグマウスを封印した。 「今回ばかりは、KOでとか、いいパフォーマンスとかは言えない。必死に全力で挑みたい。その姿を見てもらいたいし純粋に勝ちたい」 それが本音だろう。 純粋とは判定であろうと勝利に徹するということだ。ただ、これが10度目の大晦日のリングで「そういう流れがきた。記録を残すタイミングだと思う」とプラスに考えている。 サウスポーは「好きではないが苦手意識はない」のだが、アンカハスのKOの威力を秘めた左のストレートと右フックをどう封じるかが焦点となる。 「封じる戦略を今言うと面白くない」と言って、ニヤついた井岡が戦略の一端を明かす。。 「攻撃が出だすと、ガード上からでも打ってきて、どんどんリズムに乗る。そこを外すのか、ブロックするのかは、状況判断。経験で(封じる手立てを)作っていかないと、彼の強さを引き出すことになる。そこは封じたい」 ただアンカハスの動きは直線的でワンパターンではある。下がるとアンカハスのペースになるので、先に手を出し、サイドからボディ攻撃を絡めてどう崩すかがポイントになるだろう。危険ではあるが、田中戦のように、完璧なディフェンスをベースに相手の左のストレートにカウンターを合わすことができればKO決着もありうる。いかに自信と勇気を持って集中力を発揮できるかが勝利へのパスポートとなる。 9月に行ったフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)との3度目の防衛戦では12ラウンド判定にもつれこみ苦戦した。ドーピング問題で注目を集めて、しかも無観客。プレッシャーに加えてモチベーションを維持しにくい状態にあり明らかに調子の悪い不完全燃焼の試合だった。 だが、井岡は、「前回ああいう試合をして良かった」と、前向きに捉えた。 「無観客などいろんな要素で苦戦して12ラウンドを戦った経験が生きてくる。何ごとも自分よがりになってはいけないとわかった。自分のパフォーマンスやコンディションだけを上げてやっても、(ボクシングは)相手あってのことだと感じた。細かい技術の問題はあるが、組み合わせも相手によって歯車が狂うことをあの試合で考えさせられた。自信もあったが欠けている部分もあったことにも気づいた。次は期待してもらいたい。絶対に勝つ自信がある」