調査結果に見る新築マンション購入者の3つの属性と意識の変化。金利上昇が懸念される今後はどうなる?
日銀の金融政策が転換し、ついに“金利のある時代”がやってくる。リクルートの2023年調査を見ると、首都圏の新築マンション購入者の購入物件の平均価格は、これまでよりさらに上がっている。また、三菱UFJ信託銀行の調査を見ると、デベロッパーは1年後のマンション価格が上昇すると予想している。そこで、新築マンションの購入者の変化を中心に、今後のマンション市場について市場の現状と今後はどうなっていくか見ていきたい。 【今週の住活トピック】 「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」を発表/リクルート
首都圏のローン借入額は「5000万円以上」が52.4%と過半数
リクルートの調査研究機関『SUUMOリサーチセンター』が、「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」の結果を発表した。首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の、2023年1月~12月の新築分譲マンション購入契約者4934件の結果をまとめたもの。 まず、3つの特徴的な購入者の傾向を見てみよう。 第1の特徴は、購入世帯のライフステージ。かつては、結婚して夫婦のみか子どもがいる世帯が購入者の中心だった。しかし、2023年の結果を見ると、「子どもあり世帯」は年々減少してわずか35.0%に。次いで、「夫婦のみ世帯」30.9%が続く。逆に大きく増加したのは「シングル世帯」の19.1%(男性シングル8.1%+女性シングル11.0%)だ。なお、シングル世帯の平均年齢は男性40.3歳、女性42.0歳と、夫婦のみ世帯(33.3歳)、子どもあり世帯(37.7歳)よりも高くなっている。 分譲するマンションの価格上昇を受けて、平均購入価格も年々上昇してきたが、2023年は6033万円となり、ついに6000万円台に乗った。「6000万円以上」が40.7%を占めることが要因だ。 購入価格が高くなれば、住宅ローンの借入額も増えることになる。第2の特徴は、「借入額」の高さだ。ローンの平均借入額は5235万円だった。借入額「5000万円以上」が52.4%と、ついに過半数にまで達した影響は大きい。