「お前、おふくろの介護して」容姿端麗モラハラ夫、結婚20年の「決着」
「食材費と光熱費をグラム単位まで試算して出せ」
由美さんはこの連載を読んでおり、夫の1週間の行動を細かく記録していました。それを見ると、毎日、帰宅は23時で義母の家に行くことを理由にしていました。夫は結婚してからほぼ家で食事をとっていない。由美さんの料理が口に合わないと言っているそうです。 「生活費を払いたくないから、そう言っているんですよ。だって、夜中に帰ってきて、作り置きのものを食べちゃって、お弁当のおかずがなくて困ることがあります。家で食事しないどころか、隠れ“食い尽くし系夫”ですよ」と由美さん。 食い尽くし系夫、とは家族の分の食べ物を全て食べるという、配慮がない食行動を繰り返す夫のことをいいます。 由美さんが食べた分の食費を請求すると「食材費と光熱費をグラム単位まで試算して出せ」と言い、試算すると「食材のレシートを出せ。容器の重さを入れたのか。廃棄率も出せ」など揚げ足をとっては支払わないことがあったとか。とんでもない経済DVだと思いながら、由美さんの自宅前で朝6時から張り込みを開始しました。
トータルコーディネートは100万円?
夫は7時に出てきました。オリーブグリーンの高価そうなセットアップを着ており、バッグはあるハイブランドの新作で、靴はピカピカに磨かれていました。トータルコーディネートは100万円といったところ。 夫は整った顔に、引き締まった体をしており、かっこいい。ゴミを収集所の周辺で掃除をしている近所の方にも、にこやかに挨拶をしていました。どこからどう見ても優しそうで暖かな雰囲気です。 由美さんが「あいつは、異常に外面がいいんです」と悔しそうに言っていたことを思い出しました。 夫はバスと電車を乗り継ぎ、都心のオフィスへ向かいます。大手企業ですが、関連会社に出向しているようで、小規模なビルに入って行きました。 定時の18時になると、多くの社員がビルから出てきます。大企業はホワイトな職場が多いと聞きますが、まさにその通りだと。それでも夫は出てこない。今か、今かと待っていて出てきたのは20時でした。 キリッとした雰囲気で颯爽としていました。私たちの前を通ったのですが、アンバーな香りがするフレグランスが漂ってきました。この手の香水は、とても高価です。夫はカジュアルなイタリアンの奥の席に慣れた様子で入って行きます。そこでスマホを見ていると、とても華やかな女性が後から入ってきました。