「お前、おふくろの介護して」容姿端麗モラハラ夫、結婚20年の「決着」
激しくモテていた夫
由美さんと夫との夫婦関係を再度振り返りましょう。ふたりは大学の先輩・後輩として出会います。夫は当時大人気だった俳優・窪塚洋介さんに似ており、卒業後は超大手企業に勤務していることもあり、激しくモテていました。由美さんは25歳の時に、ライバルを蹴落として結婚します。 由美さんが当時勤務していたメーカーは、産休・育休制度の前例がなかったために、現在18歳の娘を出産するための産休に入った段階で、退職に追い込まれます。夫は結婚から出産までの2年間、生活費を出しませんでしたが、由美さんが働けないことを知ると、しぶしぶ生活費として月10万円を出すようになったとのこと。3年後に次女が生まれてからも、生活費は10万円のまま。学費もすべて含めてです。由美さん一家が住む家は由美さんの父が用意したものなのに、夫は家賃さえ払わなかったそうです。由美さんは娘2人を育てるために、パートをしたり、実家からときに援助をしてもらったりして、やりくりをしていました。 それでも限界があります。ある日、高校でバレーボール部に入った次女が、ユニホームのための3万円を「お父さん、お金出してほしい」というと夫は「どうせ辞めるのにそんな大金は払えない」と言い捨てたのです。その直後、近所に住む80歳の義母から老眼鏡がなくなったと連絡が入り、いそいそとお金を渡しに行ってしまう。 さらに、この義母が認知症を発症。由美さんがそのことを夫に伝えると「お前、おふくろの介護してよ。俺、忙しいから。お前の仕事は誰にでもできる、派遣の仕事だろう?」と言われます。そのことに対して、由美さんは怒りと絶望を感じます。 さらに夫は浮気もしていました。由美さんは黙認していました。それは惚れた弱みもありますが、大手企業に勤務する夫が、退職時や老後に受け取るお金を目的に、離婚せずにいたのです。夫と離婚するためには、見て見ぬふりをしてきた浮気の証拠を押さえるしかない。そして、夫を家から追い出し、慰謝料と養育費を得るために、調査の依頼をしてきたのです。 これまでも多くのモラハラの現場を調査してきましたが、由美さんとお嬢さんたちが自立するためにもきちんと現実を抑えなければと誓いました。