つらい時に聴くと「自分を肯定してくれる」――緑黄色社会の音楽に集まる共感
結成の頃から目指す「国民的な存在」に近づいて
長屋は、緑黄色社会の一番の強みは全員が曲を作ることだと言う。誰かが単独で作詞作曲する時もあれば、2人組で協力したり、4人で分担したり、パターンはさまざまだ。幅広いジャンルの音楽に触れてきた4人から、多彩な曲が生まれていく。 「組み合わせがいろいろあって、新しい緑黄色社会が生まれ続ける。自分の歌は個性がないんじゃないかと悩んだこともあったけれど、今は曲に合わせて歌い方や声色を作っていく」(長屋) 「曲作りもライブのセットリストも、4人で話し合うと予想だにしない展開になっていくんですよ。一人ひとりが作品に影響する。『どうなっていくんだろう?』という僕たちのワクワク感が聴く人にも伝わってほしいですね」(穴見)
結成の頃から「国民的な存在」を目指してきた。彼らの思う「国民的」とは、老若男女、あらゆる人に聴かれることだ。 「ストリーミングでも何でも、どんな出会いでもいいんです。誰もが口ずさめる曲を作って、私たちのことを知らない人にどんどん届けたい」(長屋) 「街で流れてきて、『この曲、めっちゃいいかも』みたいな。通勤通学で聴いてもらうと、人生のBGMになっている気がして嬉しい」(穴見) 「『世界に一つだけの花』を知らない人はいない。そういう曲が目標です」(小林) 「合唱の曲とか、作りたいですね。私たちらしさが出ると思います」(peppe) 11年目の今年、新しいスタートを切ろうとしている。 緑黄色社会(りょくおうしょくしゃかい) 2012年結成。愛称は「リョクシャカ」。2022年9月の日本武道館公演を収録したBlu-ray・DVD「緑黄色社会×日本武道館 “20122022”」は1月4日発売。 (取材・文:塚原沙耶)