原動力は怒りと逆境――ONE OK ROCK・Takaが目指す「アメリカでのロック回帰」
ONE OK ROCKのボーカル、Taka(34)。10代の頃にロックの反逆的なスタイルに惹かれ、今も原動力は怒りだという。6年前にはアメリカに拠点を移し、活動の基盤を築いてきた。その道のりを「毎日が逆境」と振り返る。コロナ禍を経験し、今、いっそうロックへの思いを強めている。10代の原体験からアメリカで見据える目標まで、現在の心境を聞いた。(取材・文:柴那典/撮影:柏田テツヲ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
アメリカで抱いた疎外感
「僕らが必ずロックを取り戻す。アメリカのレーベルのスタッフにもそう言っている。日本人の僕らがアメリカでロックシーンをもう一度盛り上げる。それができたらすごく面白いんじゃないかと思っています」 Takaは、現在、ロサンゼルスに暮らしている。6年前に生活の拠点を移したのは、アメリカで本格的に成功をつかむためだ。「毎日が逆境」という挑戦の日々が始まったのは2014年。当時すでに日本ではアリーナを満員にする人気ロックバンドだった彼らは、アメリカでのフェスに初出演しシビアな現実に直面した。 「アメリカでの最初のライブの後にワープド・ツアーというのに出たんですけれど、そこで用意されたのはメインステージから離れた、文化祭をやるような小さなステージで。お客さんも3、4人しかいなくて、出演している他のバンドが指さして笑いながら通っていくようなこともあった。疎外されてるなという感覚はすごくありました」 バンドは海外での活動の基盤をゼロから築き上げてきた。2016年には人気ロックバンドが多く所属するアメリカのレーベル「フュエルド・バイ・ラーメン」と契約。ツアーを重ね、少しずつファンを増やしていった。 「イケるのかなって思った瞬間は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの前座をつとめた時ですね。会場にいる若い白人の子たちが、僕らの演奏を聴いて立ち上がって盛り上がってくれた。僕らは白人の人たちにも受け入れられるんだと思った」