【NASAが重大発表】「太陽の活動が“極大期”に」今後1年は要注意だ 「磁気嵐」で日本でオーロラ発生、通信障害も?「複雑な仕組み」を東大宇宙博士がわかりやすく解説
今年5月、大規模な太陽フレアと「コロナガス放出」により、過去20年で最大の「磁気嵐」が発生しました。日本でもオーロラが観測され、話題になりました。 つい先日も、10月9日(水)11時ごろ、大規模な太陽フレアが起こり、10月11日(金)0時ごろに「コロナガス放出」が地球に到達。「磁気嵐」が発生し、このときちょうど真夜中だった日本では、北海道をはじめ、京都や能登でも、オーロラが空を赤くする様子が撮影されています。
オーロラはその幻想的な美しさから人々を魅了しますが、良いことだけではなく、悪いこともあります。 磁気嵐やオーロラが発生している上空の領域では、大量の電流が流れています。この電流は大気を加熱し、加熱した大気は膨張します。すると、空気抵抗が増えて、人工衛星の姿勢に悪影響を及ぼします。 2022年には、磁気嵐時の空気抵抗の増大によってSpaceX社のスターリンク衛星約40機が墜落しています。 磁気嵐やオーロラは、地上にも大きな電流を誘発することがあります。電力網に異常な電流が流れると、変圧器が故障し、停電が引き起こされる危険があります。
1989年には、カナダで大規模な停電が起き、600万人が9時間も不便な生活を強いられました。 太陽フレアによって引き起こされる出来事は、かなり複雑ですよね。 こうした地球を取り巻く宇宙で起きる自然現象を「宇宙天気」といい、その予測をすることを「宇宙天気予報」といいます。文字通り、天気予報の宇宙版です。 ただ、宇宙天気予報は完成されたものではなく、日々観測データを蓄積し、研究が行われている現在進行形のものです。
太陽フレアが起こるきっかけのメカニズムや、フレアにともなう地球への影響の評価には、まだ謎や課題が残っています。 ■太陽フレアの発生はこれからがピークに 国の研究機関、情報通信研究機構(NICT)のウェブサイト「宇宙天気予報」では、日々、太陽や地球周辺の現状や予報についての情報が発信されています。 ただ、何も知らずにのぞいてみると、難解な用語に圧倒されてしまいます。こうした情報に少しでもなじめるようにと思い、今回の記事では専門用語を多めに入れて解説してみました。