【NASAが重大発表】「太陽の活動が“極大期”に」今後1年は要注意だ 「磁気嵐」で日本でオーロラ発生、通信障害も?「複雑な仕組み」を東大宇宙博士がわかりやすく解説
前回の黒点数のピークは2014年で、今回のピークは2025年前後と予想されています。まさにいま、そしてこれからが、太陽フレアが発生しやすい時期なのです。 ■太陽フレアが生み出す「3つの危険物質」 太陽フレアが発生すると、通常時とは異なる「電磁波」「粒子」「ガス」が生み出されます。 太陽フレアにともなって発生する「3つのもの」とその影響 【1】電磁波 (生成物)強力なX線や紫外線 (時間)約8分で地球に到達
(影響)地球の大気を電離して、「通信障害」や「GPSの誤差増大」を引き起こす 【2】粒子 (生成物)エネルギーの高い粒子 (時間)速いものは30分、遅いものは2日ほどで地球に到達 (影響)宇宙飛行士の被曝量を増やす/人工衛星の誤作動や故障を招く 【3】ガス (生成物)電気を帯びたガス(プラズマ) (時間)約2日で地球に到達 (影響)地磁気嵐やオーロラを起こす/地球の大気を加熱し、膨張した大気が衛星を墜落させる/地上に電流を誘導し、停電を引き起こす
ぱっと見、どれもなじみがなく、難しく感じますね。 過去の実例も交えながら、1つずつ見ていきましょう。 【1】電磁波→通信障害、GPS誤差増大 太陽フレアが起こると、X線や紫外線が大量に発生します。これらは電磁波の一種なので光の速度(秒速30万キロ)で移動し、発生から約8分後に地球に到達します。 強力なX線や紫外線は、上空にある大気を電離させて異常な領域をつくり出し、短波放送や航空無線の通信に障害を起こすことがあります。この通信障害を専門用語で「デリンジャー現象」といいます。
この現象によって、スマホで電話ができなくなるわけではありません。 上空の大気の異常は、GPS衛星による測位にも悪影響を及ぼします。スマホにはGPS以外に基地局による位置情報もあるので影響は少ないものの、GPS付きドローンには影響が出るかもしれません。 ■月面では死亡事故も「高エネルギー粒子」 【2】粒子→宇宙飛行士の被曝、人工衛星の障害 太陽フレアにともなって、非常に高いエネルギーを持った粒子が生み出されます。