ケタ違いの含有量。認知症予防にはEPA&DHAたっぷりな赤魚一択!(専門家が監修)
脂肪酸キングは赤身魚のマグロのトロ
改めて解説すると、赤身の魚とは赤い色素成分が筋肉100g中10mg以上含まれている魚のこと。白身は赤い色素成分がそれ以下の魚のこと。ちなみに、アジ、サバ、サンマ、イワシといった背中が青い魚、青魚のはっきりした定義はない。ただ単に見た目が青いというだけで、どれも赤身の魚グループに属する。 で、EPAやDHAが豊富なのは断然、赤身の魚。 「赤身の魚の脂の多いところは当然、EPAやDHAの含有量が豊富なものがほとんど。とくに皮付きのサンマやクロマグロのトロの部分などはケタ違いのEPAやDHAを含んでいます。さらにマグロの場合は天然ものより養殖ものの方がエサが豊富で脂が乗っているので、EPAやDHAの量がより多くなります」 EPA・DHA狙いならマグロの赤身よりトロ、天然より養殖もの。
白身の切り身なら皮付きがベター
低脂質高タンパクの白身魚は、EPA・DHA補給という点ではどうしても不利。ただし、例外もある。 たとえば大西洋サケと呼ばれる魚は白身魚のなかでもEPAやDHAを多く含むことで知られている。これ、スーパーの魚売り場で「アトランティックサーモン」として販売されているサケのこと。または、海洋で育てられたニジマスも、白身魚の中ではEPAやDHAが豊富。 どっちも身が赤いから赤身魚なのでは? という疑問はごもっともだが、あの赤さはプランクトンなどエサの色素によるもので本来の身はどちらも白い。よって分類は白身魚。 身と皮の間に脂質が多いのでEPA・DHAをカバーするためには皮付きの状態でいただくのがベター。しかも焼いて水分を飛ばした方が、同じ重量なら効率的にEPA・DHAを補給できる。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.873・2024年2月8日発売)