ケタ違いの含有量。認知症予防にはEPA&DHAたっぷりな赤魚一択!(専門家が監修)
脂質が少なくてタンパク質量が多い白身魚はカラダ作りの強い味方。では、マグロ、ブリ、サバなど赤魚は? もちろん、赤魚にも強力な健康パワーが秘められている。その秘密はおなじみのオメガ3系脂肪酸のEPA&DHA。血液サラサラ作用に加え、近年、ますます研究が進んでいるのが認知機能への影響だ。より効率的に摂取する方法まで、詳しく解説しよう。
EPAの血液サラサラ作用で病気を予防
白身の魚は脂質が少なくてタンパク質量が多いエリート食材だが、マグロ、ブリ、サバなど赤身の魚にも強力な健康パワーが秘められている。魚の機能性成分の中で最も研究の歴史が長いオメガ3系脂肪酸、そのうちのひとつであるEPA(エイコサペンタエン酸)が代表格だ。 「EPAは血液をサラサラにして血栓を予防します。製薬会社が薬としてEPAを採用しているのでこれは揺るぎない作用。EPAは体内で脂質メディエーターという生理活性物質に変換され、そこからプロスタグランジンI3という、血栓を抑制する直接的な物質ができます」 一方オメガ6系脂肪酸のアラキドン酸は同じメディエーターでも炎症を起こしたり血栓を作るような物質が作られる。オメガ6系脂肪酸は大豆油やコーン油などに豊富なので摂るなら適量を。もちろん魚の脂も摂り過ぎは太るので禁物だ。
DHAの脳の発達や認知症予防効果に期待
EPAとよく似た構造を持つDHA(ドコサヘキサエン酸)もまた、赤身魚に豊富な機能性成分。こちらは認知機能との関わりが深いとされている。DHAは体内でほとんど作ることができない必須脂肪酸。脳内の細胞膜にも多く含まれていることから認知機能との関連が国内外で研究されている真っ最中。 国立長寿医療研究センターの長期縦断疫学研究(NILS―LSA)によると、血中のDHA濃度が高い人と低い人で10年後の認知機能低下のリスクを比べたところ、前者の方がリスクが低いという結果が得られたという。 詳しいメカニズムはまだ明らかにされていないが、DHAは脳に直接作用して神経伝達物質が活性化され、脳の神経細胞同士の働きが向上するという説もある。人生100年時代、今後の研究に期待したい。