50代ひとり暮らし女性、断捨離のつもりが気分が上がって…タンスの肥やしで夜な夜なファッションショー
◆全身黒で真っ赤な口紅をつけた「罰当たりコーデ」 それから数日後、気をとりなおして、年齢を重ねるにつれ増えた圧倒的な数を誇るモノトーンの服に、手をつけることを決めました。景気づけに濃いめのコーヒーを2杯飲みます。夜遅くになっても終わるまで寝るものか。 ベッドの上に積み上げた白、黒、グレー。いくらなんでも多すぎる……。それなのに、どれひとつ捨てる決心がつきません。困った私はまたもや着てみることにしました。 ああでもないこうでもないと着替えていると夢中になっていきます。鏡の前を行ったり来たり。 ずいぶん長いこと使わずにいたスカーフや大振りのアクセサリーを合わせられないかと試したり、あえて全身黒でまとめ真っ赤な口紅をつけて「罰当たりコーデ」と名付けたり。思わずフフッと笑みがこぼれます。 今度のお出かけはこれでと思った時、はたと肝心なことに思い至りました。靴がありません。これではお出かけできないわ!
慌てて靴箱の戸を全開にするとショックを受けました。好きだったボア付きのブーツはカビだらけ。くたびれたサンダル。ほかのものも表面がひび割れたり、傷だらけだったり。大事にしていたパンプスと、普段使いの2足しかまともな状態ではありませんでした。 しょんぼりしながら、モノトーンの山に戻ります。ほんの少しだけ休もうと、ベッドに積み上がった服の間に寝ころびました。この山を片づけるまでは寝ないぞ、という心意気はどこかへ行き、気が付くとそのまま……。 ハッと飛び起きると、もう朝でした。服によだれを垂らしていないのは不幸中の幸い。周囲は、洋服が積み上がったままで、現実を突き付けられました。ゆうべはあんなに楽しかったのに。 深夜のファッションショーのおかげで眠っていた服と向き合うことができて、私の服のレパートリーは少し華やぎました。引き換えに手に入れたのは、荒れ放題の部屋と乾燥した肌。こういう時だけは、同居人に怒られる心配のないひとり暮らしをありがたく思います。 あの冬、少しだけ余裕ができたクローゼットも、また元通りになってきました。ファッションショーの再開は近そうです。
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