米FRB利上げペースダウン、パウエル議長会見に見えた変化
利下げ観測を否定することはなく
金融市場参加者(≒金利先物)が年内の利下げ(約0.5%ポイント)を織り込んでいることに関して「現在の見通しでは、今年中に利下げを行うことは適切でない」としつつも「われわれと市場の予想は異なる」として利下げ観測を潰しにかかることはしませんでした。従来であれば、語気を強めて利下げ観測を否定してくるところでしたが、この点において明らかな変化があったように思われます。 次回3月FOMCではドットチャート(FOMC参加者の政策金利見通しを「点」で示したもの)の形状に注目が集まります。その形状が2023年の中央値が利下げを示唆する水準になるかは微妙ですが、ドットの分布は幾分(下方向に)縦長となると予想されます。それが追加的な金利低下・株高要因になるかは別問題ですが、年内の利下げ確率が高まっていることに疑いの余地はありません。
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