「雨」「川」「避難」の情報を整理……5段階の「警戒レベル」とは? #災害に備える
警戒レベルを避難行動にどう活用する?
それでは、警戒レベルをどのように活用すればよいのでしょうか。 レベル1と2については、ほとんどメディアが報じることはありません。自分の住んでいる地域は大雨が降った時に何らかの災害が起こる可能性がある場所なのか。あるとしたら避難が必要なのか。避難が必要だとしたら、どこに避難すればよいのか。普段からこうしたことを確認しておけば、取り立ててレベルを気にする必要はないでしょう。 自分の地域の大雨による災害のリスクを確認したうえで、土砂災害や浸水などの災害が想定され、何らかの身の安全を確保する行動が必要な地域に住む人は、レベル3から行動を開始しましょう。 寝たきりの高齢者や、車いすなどがなければ自力で移動することが困難な人などは、「赤色のレベル3」を確認したら速やかに避難を開始する。それ以外の人でも、特に土砂災害や浸水の危険度が高い地域に住む人は、普段の行動を見合わせ、避難の準備を整え、すぐに行動できるようにしておきます。 「紫色のレベル4」を確認したら、速やかに危険な場所から離れることが大切です。この段階になると、雨の降り方によっては、いつレベルが上がる、つまり災害が発生しても不思議ではありません。「まだレベル5になっていないから」などと考えていたら、土砂によって道がふさがれたり、道路が水浸しになったりして、避難場所に行こうにも「どこにも動けない」ということになりかねません。 まだ危険な区域から避難できていないのに「黒色のレベル5」を確認してしまった――。本来であれば、こうした事態だけは避けたいところですが、やむを得ず、こうした状況に陥った場合は、とにかく命を守る最善の行動を考えましょう。例えば、斜面や崖の近くの家にいて、安全な避難場所に行く手段がない場合、家の中でも斜面や崖からできるだけ離れた家の2階にいるようにすることなどが考えられます。 どの警戒レベルに対応した行動を取るにしても、すべては自分の住む場所の大雨による災害リスクを知っていることが大前提になります。住んでいる地域が土砂災害警戒区域や浸水想定区域などに入っていないか。あらかじめハザードマップなどで確認しておくことが大切です。ただし、一つ注意が必要な点があります。大河川に比べて中小河川の浸水想定区域などはまだまだ調査が進んでいません。このため、実際には浸水のリスクがあっても、ハザードマップに表示がないケースがあることが考えられます。日ごろから自分が住む場所の土地の高低などを意識しておくことも重要です。