コロナ分科会の尾身会長が会見(全文2)やらないよりは間違いなく減る
ワクチンだけで今の状況を乗り越えられない
前から申し上げているように、なんらかの具合の悪いという、ちょっとでも具合の悪い人を検査するとまったく一般のポピュレーションというか、よりもはるかに陽性率、事前確率が高くなりますから、こういうことをもう徹底的に、この検査の充実というのは従来からいわれているんだけど、私はもう少し国が担当者なんかを決めて徹底的にやるということが、ワクチンが出ててもワクチンだけでは、もう前から申し上げる、ワクチンは非常に有力な対策の主流ですけれども、ワクチンだけでは今の状況を乗り越えることはできませんので、検査というものも、この何か具合が悪かったら気楽にどこでもできるというシステム、これを、これは必ずしも、私はなんにもないポピュレーションを全員やれということを申し上げているのではなくて、これをやると効率がいいですから、こういうことをやることが私は求められている、基本的対処方針に書いてある。これはもう実行してもらって、あとは、これは予算と決議だけですから、これはぜひやっていただきたいと思います。それから、今ここ言いましたね。医師や開業医の先生だったらこういうふうにして保健所の判断なしでやってもらう。 それからもう1つ、保健所の業務軽減っていうのはいっぱいありますけど、これ、特に夜、夜の問題ですけども、夜間にPCR陽性者から夜間に119番、架電があった場合には、救急搬送機関は保健所の判断を要請しないで直接本部に連絡してくださいというようなこともやることによって、今までとは違いますけど、こういうことをやっているところもあるようですけども、弾力的に、今もう災害という捉え方をすると、こういうこともやるということが大事だと思います。
感染しやすくなっているのは事実
さて、今度は2番目の大きなほうですけど、人流・接触機会の削減ですよね。先ほど言ったとおり5割なんとかしたいということで。今、皆さんが、多くの人がデルタ株の感染力というもの、あるいはワクチンの効果というものに大変興味があると思って、特にアメリカのCDCが基本再生産数を、かなり8とか高いのを言ったんでびっくりされて、どうなんだということですが。確かにやはり今までよりも感染力が高いというふうに、今いろんな、状況証拠的にありますよね。 例えば今まではなかった、きのう、たぶん大臣も言われたり、私もどこかの番組で申し上げましたけども、デパートの地下でショッピングをしてるだけでうつるっていうことはあんまりなかったですよね。あるいは散髪屋さんっていうんですか、理容室なんかでうつるということもほとんど報告されてなかったということで、確かに感染しやすくなっているということは事実だと思います。しかし、だからといって、じゃあまちを普通に歩いてて感染するか、あるいは今ここで皆さん、マスクを掛けてほとんどしゃべってないわけですよね。換気も多少は今いいんですかね。ここはCO2モニターあるのかな。ぜひ入れておいてくださいね。そういうことでは、なかなか感染はしないと思いますね。 やはり感染のリスク高いところはもう、これ、全てをここに書いてる、今までと同じ、基本的には変わらないんですね。今までもう何度も申し上げたとおり、普段から一緒にいない人、同居家族以外などとやる飲食や会合。それから最近になって前よりも長時間というのが、このデルタ株で、われわれ、この何回かの記者会見でも強調させていただいた。長時間、大人数。それからやっぱり混雑した場所と時間帯。あるいは職場なんかでは休憩。こういうことで、しかもマスクを。 これらは言ってみれば前とあまり変わらないですよね。こういうところで今でも起きてるんです。このことは、感染力が強くなっても起こる場所というのはこういうところ。例外的なことはあるかもしれませんね。報告されてなくて分からない部分もあるけども。われわれ、残念ながらこの今の感染、感染の1例1例を全部つぶすということは、これは不可能です。そうすると、何ができるというと、大きな、主な、わーっと来るクラスターが大きく起こるようなものをたたくということが重要になっていく。そういう発想にしないと、1例1例、ゼロにやるということはできないんで。やはりこういう一番リスクの高いようなところをみんなが注意するということ。今までどおりですけど、今の場面では特にこのことに注意を。で、マスクも重要ですよね。ということです。