【2024年ベストバイ】スタイリスト TEPPEIが今年買って良かったモノ
CHROME HEARTS ムートンジャケット
F:3点目は「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」のムートンジャケット。これまたすごい大物ですがどちらで購入したんですか? TEPPEI:一昨年、昨年のベストバイでも話題に上がった、デザイナーズブランドのユーズド品を取り扱っている中央林間のお店を覚えていますか? 実は「エルメス(HERMES)」「メゾン マルジェラ」「セリーヌ(CELINE)」などのアーカイヴを取り扱っている著名なアポイント制ブティック「ベイアパートメント」でポップアップイベントを開催したこともあるショップなのですが、そのお店で購入しました。 店名はここでは伏せますが、知る人ぞ知るといった感じで価値のあるアイテムをたくさん置いているんです。なぜ貴重なアイテムがそのお店に集まるかというと、そこでは俗にいう「定番のブランドモノ」ではなくファッション的に価値のあるものを高く査定するから。感度の高いオーナーはそれを知っているので、わざわざそのお店めがけて売りに出すんです。この服、実は昨年の冬に店頭で見つけたんですよ。でもそのタイミングで買っても時期的に眠らせることになってしまうから取り置きをお願いして、今年の秋にようやく買えました。 F:いくらで購入したんですか? TEPPEI:およそ100万円くらいです。定価だと150万円くらいだったみたいですよ。 F:とんでもなく高いのにお得感を感じてしまいますね(笑)。クロムハーツは売り切れ御免のイメージが強いですが、こうしたアイテムは店頭で買えるんですか? TEPPEI:入荷自体はされるんですが、店頭に出る前にだいたい上顧客が買ってしまうみたいです。これはクロムハーツに限った話ではなく、他のラグジュアリーブランドにも当てはまります。ブランド側が販売対象を限定するのは、転売だったり、二次流通に流れることを避けるためとも言われますが、こうした対策を講じたところで網の目をくぐり抜けてショップに落ちてきてしまうというのは皮肉めいたものを感じて面白いです。 F:状態もかなり良いですね。 TEPPEI:そうですね。コンディション面で言うと、腰回りのムートンが三重構造になっているのがポイント。腰回りの三重構造自体は特に珍しいものではないんですが、ムートンが三重になっていると普通体型の人には分厚すぎてフロントジップが閉まらなくなったりするので、二次流通市場にはほとんどがカットオフされた状態で出回るんです。ここが完璧なコンディションのものはかなり珍しいと思います。僕はウエストがかなり細いので、このままでも着られますし、むしろ腰回りにこれくらいボリューム感があった方が好みなんです。 F:デザイン面で気に入っているところは? TEPPEI:カッコいいところ(笑)。僕はいつも服の魅力について語る時、自分の中で噛み砕いて言語化することを心がけているんですが、このムートンジャケットにはそれすら介在することを許さない、心の奥に直接訴えかけてくるカッコよさがあります。これ以上の言葉は要らないと思いますね。 F:確かにその一言に尽きますね。ただ、普段TEPPEIさんが愛用する服よりも男臭いイメージです。 TEPPEI:鋭い着眼点です。自分は華奢な体型だし、どちらかといえば丸みのあるシルエットを取り入れた可愛らしいスタイリングの方が似合うと自己分析しています。でも、だからこそたまに無骨な印象のアイテムを取り入れて全体を引き締める必要があるとも感じていて。そんな時に意図的に取り入れるようにしているのがクロムハーツだったり、シルバーアクセなんですよ。 日頃は、エルメスの長財布をセルフカスタムしてシルバーのウォレットチェーンを通して、腰回りを意図的に男臭く演出しています。自分の好みにマッチするゴリゴリ系のアイテムってなかなかなかったりもするので、良い物に出会った時はついつい買ってしまいますね。