「金融政策の効果は十分あった」日銀・黒田総裁会見1月18日(全文2)
次の総裁にスムーズに渡したいという思いは?
記者:すいません、TBSの【品田 00:44:23】と申します。黒田総裁にお話を伺える貴重な機会なのでお伺いしたいんですけれども、これまでの10年の中で、前回12月、そして今回の決定をどのように評価してらっしゃいますでしょうか。また、次の総裁にスムーズに渡したいとか、そういった思いとかありましたでしょうか。 黒田:先ほど来、申し上げているとおり、この10年間、経済・物価の状況を丹念に点検しつつ、政策委員会で金融政策を決定してまいりました。その効果は、一定の効果があったと考えておりますけれども、依然として2%の物価安定目標を持続的・安定的に達成するに至っていないということは事実でありますので、今後とも引き続き、任期まではしっかりと、そういった考え方に沿って、2%の物価安定目標の実現に向けて全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。後任の方とかなんかを申し上げたり、後任の人のためにとかいうのは大変せんえつですので、そういった考え方はありません。どうぞ。
市場の現状をどう考えているのか
記者:すいません。ありがとうございます。マーケットニュースの【イノウエ 00:46:09】と申します。12月の会合以降、金利上昇して、結構、市場もボラタイルになっていて、銀行の含み損のお話とか出ているんですけども、その辺のところ、現状どういうふうにお考えかというのと、12月の日銀の決定によって【JDB 00:46:24】の魅力が増したような声も聞くんですけども、その辺を黒田総裁はどのようにお考えか、よろしくお願いいたします。 黒田:先ほど来、申し上げているとおり、12月の決定は国債市場・債券市場一般の機能を改善するために行ったわけでありまして、そういったことの効果というのはもう少し時間がたってみないと分からないと思いますので、その辺りは十分、注視してまいりたいというふうに思っております。 なお、金融機関の状況につきましては、ご承知のとおり海外金利の大幅な上昇の影響を受けて、わが国の金融機関の有価証券ポートフォリオは外債や海外金利系投信を中心に評価損が拡大していることは事実なんですけども、また、前回会合以降、国債金利が10年ゾーンを中心に少し上昇しているわけですけども、これが国内債の評価損益の悪化につながる可能性はありますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げたような海外金利の大幅な上昇の影響を受けて評価損が拡大しているわけですけども、金融機関全体として十分な自己資本を持っておりまして、この有価証券関連収益の悪化が金融仲介機能や金融システムの安定に影響を及ぼすということは限定的なものというふうにみておりまして、あまり心配していないんですけども、ただ、やはり日本銀行としては金利動向、その下での金融機関の有価証券投資やリスクの状況については、やはり丁寧にモニタリングしていきたいというふうに考えております。 記者:すいません、幹事社です。会見開始から45分が過ぎました。まだ質問がある方は挙手をお願いできますでしょうか。ちょっと全員回るかどうか分かりませんが、ここからは質問、お1人当たり1問に絞っていただき、内容も簡潔にしていただければと思います。総裁にもご協力お願いいたします。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見1月18日 全文3へ続く