金融緩和続けるのは「物価上昇2%目標達成のため」日銀・黒田総裁会見1月18日(全文3完)
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の18日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「日銀、大規模金融緩和策を維持 黒田総裁が会見(2023年1月18日)」に対応しております。 【動画】日銀、大規模金融緩和策を維持 黒田総裁が会見(2023年1月18日) ◇ ◇
物価目標達成に近づいていると思うか
記者:北海道新聞、【コウサカ 00:49:11】です。お願いいたします。物価目標達成にはまだ時間がかかるというお話でしたが、一方で、この1年余り見ても、展望レポートが公表されるたびに見通しが情報修正されてきたことは事実だと思うんです。このことをどう受け止めてらっしゃるかお聞きしたいのですが、目標達成がいつになるかはともかく、かなり近づいてきているというご認識でしょうか。 黒田:展望レポートにつきまして、このところ情報修正してきたことはそのとおりであります。従って、今回も情報修正してますし、また今後につきましても、上振れリスクのほうが下振れリスクよりも大きいということも認めております。ただ、その下でも、さまざまなデータから見るに、現在の見通しの中心地、中央値っていうのはこの表にお示ししてるようなものであるというふうに考えております。それは先ほど来申し上げたさまざまな要因が重なっているわけですけれども、リスクとしては上振れリスクのほうが大きいということは、この表にもありますように委員方が認めてるわけですけども、一応、中央値として見てるところが、このようなものであるということであります。
大規模緩和を続ける意義、必要性を教えて
記者:共同通信の【柿元 00:50:50】と申します。恐縮ながら、ちょっと2点お尋ねさせてください。1点目は、国民生活に身近な住宅ローン金利に関する質問です。大手銀行の一部が今年1月から適用してる固定型10年の金利の水準は、日銀が大規模緩和を始める直前の2013年4月適用の金利と比べて高くなっていることもあり、国民にとっては日銀が強力な大規模緩和を続けるメリット、意義が分かりにくくなっています。あらためて長短金利操作付き大規模緩和を続ける意義、必要性について教えてください。 2点目は、日銀が政策変更する際の考え方についてです。総裁は本日も、2%の物価上昇目標を安定的・持続的に達成するまで大規模な緩和を続けるお考えを繰り返されました。日銀が物価目標の達成を見通せない中で、物価目標達成とは異なる理由でマイナス金利を解除することはありうるのか、あり得ないのか、総裁のお考えを教えてください。 黒田:第1点につきましては先ほど来、申し上げてるとおりでありまして。消費者物価の上昇率が持続的・安定的に2%に達成されるというような状況になることを目標に金融緩和を続けてるということであります。なお、住宅ローン金利につきましては、確かに昨年の春先以降、徐々に引き上げられてきたわけでありまして、また、前回会合以降、一部の金融機関で国債金利の動向を踏まえて引き上げる動きも見られております。この間、住宅ローンの大半を占める変動金利型につきましては、適用金利に変化は生じていないようであります。いずれにしても住宅ローン金利の動向、あるいはその影響については今後も丹念に点検してまいりたいというふうに思っております。 イールドカーブ・コントロールにつきましては、政策金利につきましてマイナス0.1%、そして10年物国債金利の目標を0%程度というふうにして運営してきてるわけでありまして、このマイナス金利の問題につきましては、公表文の最後のところに、政策金利については現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定しているということに尽きるというふうに思います。