【40代・50代は知っておきたい】国際災害レスキューナースが教える「防災準備に役立つ3つのサイト」
「家族構成(性別・年代)や住まいの種類などの質問に回答するだけで、用意すべき食料や日用品など具体的な備蓄品目を、目安となる量とともにパッと割り出してくれます」
「同ページにショッピングサイトへのリンクボタンがついているので、足りない備蓄品をすぐに購入することができます。 戸建てでは3日分、エレベーターが止まったときに荷物を持っての階段の上り下りが難しい集合住宅では7日分備蓄が必要になる設定となっています。『地震10秒診断』で調べたライフラインの断絶日数も考慮し、各家庭で必要な備蓄について考えてみましょう」
「自分が元気でいられるか」で選べば、防災が楽しくなる!
避難生活イコール「日常に戻るまでのつなぎであり、最低限で乗り切るもの」というイメージも強いけれど、辻さんが伝えたいのは「自分を大切にする防災」。 「例えば、ドライシャンプーで髪を洗っても『香りがだめで気持ち悪くなってしまった』という被災者の声をたくさん聞いてきました。つまり、『これを用意しなさい』と言われたものをただ用意するのは本当にファーストステップ。そこからいかに『自分仕様』にしていくかがポイントなんです」 食べ物にしても、備蓄リストの分量をそろえるのはまず第一段階。そこから「どう食べるとおいしいのか」までイメージしておくのが大切。
「インスタントラーメンは備蓄食の定番ですが、毎日それでは飽きてしまいます。それなら『今日はラーメンにして、次は焼きそば風に炒めてみよう』とかアレンジしてみる。アレンジというとハードルが高いように感じられるかもしれませんが、自分がどんなふうに食べたらおいしいと思えるか、元気が出るのかでイメージしてみたらいいと思います。 衛生用品ならどんな質感や香りのものなら心地よく使えるのか、どんな環境ならぐっすり眠れるのか…。 40代~50代女性は人生経験が長い分、自分にとって必要なもの、心地よいものが決まっている人も多いはず。いつもの自分に引き寄せて考えてみると、防災は日常と地続きだということが改めてわかります。 人は自分の欲求が満たされると元気になれる。快適な避難生活が送れるように、平常時で時間があるときにイメージして備蓄品を選んでいくと、防災が楽しめると思いますよ!」
【教えてくれたのは】 辻 直美さん 国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾代表理事。1991年、看護師免許取得。1993年「国境なき医師団」の活動で上海に赴任。帰国後、阪神・淡路大震災で実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。以降、国際緊急援助隊医療チーム(JMTDR)において国内外の被災地で活動。現在はフリーランスのナースとして講演、防災教育、被災地支援活動を行う。『レスキューナースが教えるプチプラ防災』(扶桑社)ほか、防災関連の著書多数。 イラスト/ミヤウチミホ 取材・文/遊佐信子