高校の友人と4泊5日の「団地のふたり」合宿。老後に備えて必要なのは女の友情だ
◆2DAYS:もう笑うしかない 8月30日。この日は2人とも別行動をした。これは普段の旅行でもよくやっていて、お互いにひとりで過ごす時間があると、ホッとする。四六時中、べったりでは落ち着いて屁もできない。たとえ旅行でも、1人の時間を作る。これは、ぜひ試してほしい。 この日、私は仕事をこなす。ちいちゃんは宿泊延長に備えて買い出しに出かけて行った。ちなみに彼女は結婚していた当時、東京に住んでいたので、都会に放り出しても1人で行動ができる。 「18時までに仕事を終えるから、夕飯をどうするか決めよう」 合宿(旅行)中、結局のところ、議題に上がってくるのは食べること。これは相手の食の好みを聞いて、慎重に考えてほうがいい。なぜなら、おばさんは想像以上に食も酒も細くなっている。あれもこれもと欲張ると、二日酔いや胃もたれなど具合が悪いまま、翌日を過ごすことになるのだ。 この日は2人で居酒屋に出かけた。久々に会ったせいか、酒も会話も弾んで、私はいつも通り酔っ払ってしまった。が、その横で「また高速バス、キャンセルされた……」と落胆した表情を見せるちいちゃん。台風の進行速度が遅く、東海道線沿いは全線不通。三泊目が確約された瞬間だった。私は「また? 止まったの?」と笑う。不安そうにしている友人がいるのだから、もう笑うしかないのだ。 異性ではなく、同性がずっと家にいると、こんな感じなのか……と独り暮らしの長いおばさんは、しみじみしていた。
◆3~4DAYS:やっと帰還 8月31日。この日はお互いに家事をした。昨夜の居酒屋代金は奢ってくれたものの、ずっと宿泊することが申し訳ないと言う、ちいちゃん。そこで彼女が得意の掃除と、裁縫をお願いした。その間、私は台所仕事をする。これも2人で旅行をする時のポイントでお互いに得意分野で、役割分担をするといい。スケジュールを組む、現地で検索するなど、意外とやることだらけの旅行は「得意でしょ!」と、誰かに全てを押し付けてはいけない。 ちなみにふたり。悪天候で遠出もできないので、麻布台ミッドタウンで観光客にまみれて、夕飯を買い出しして、大人しくテレビを観ながら1日を終えた。30代でもあるまい、2日間も飲みに行く、体力はあっても、今後のために温存しておかなくてはならない。ただ、だんだん相手の行動も癖も分かってくるので、妙なストレスは無くなっていた。 お互いに譲歩していたのか、喧嘩もなかった。ただ、こんな会話はあった。 「週明けまで新幹線が動かないようなら、私、ここを出てホテル探す」 「なんでいいよ、泊まってなよ」 「久乃の仕事の邪魔しちゃ、悪いじゃん」 「こんな台風の危険な最中に追い出したら、あんたのおばさん(ちいちゃんの母)と、うちのお母さんに末代まで祟られると思うから、いていいよ。月曜からは寝室を自由に使ってくれ」 結局、外食や夕飯代を彼女が持つ、ということで話はついた。妙な気遣いは有事には不要かもしれない。目標は無事に帰ることだ。 そして9月1日。4日目にしてついに新幹線の動く兆しが見える。ちいちゃんは自宅で慣れない新幹線予約に数時間、格闘していた。そんな彼女の姿を見ていて思ったのは、大人たるもの、最低限の交通アクセス手段は確保しておいたほうがいいこと。慣れない土地で、アプリを入れて、クレジットカードと連結させることは、おばさんにとって一苦労。20代のようにスマートにはいかない。必要がない、というけれど、ちいちゃんように急きょ、交通機関の足止めをくらって、会社の有給を取って、自宅に帰ることができない状況に陥る可能性もあるのだから。 この夜、またおばさんふたりは静かに自宅で、惣菜を買ってきたり、作ったりして、プチ宴会。結局、いろいろあったけど「楽しかったね」とぼやく。私なんて、自宅にいるだけなのにすっかり脳内がリフレッシュされていた。フリーランスは止まることが怖くて、どうもエンドレスで仕事をしてしまいがちだけど、きっちり休むことも必要だと、今さらながら反省をした。
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