高校の友人と4泊5日の「団地のふたり」合宿。老後に備えて必要なのは女の友情だ
世間から「大丈夫?」と思われがちな生涯独身、フリーランス、40代の小林久乃さんが綴る“雑”で“脱力”系のゆるーいエッセイ。「人生、少しでもサボりたい」と常々考える小林さんの体験談の数々は、読んでいるうちに心も気持ちも軽くなるかもしれません。第37回は「四泊五日のおばさん合宿」です。 【写真】曇天にそびえる東京タワーと、セブンイレブンの不思議なコントラスト * * * * * * * ◆思いがけず、おばさんべったり あなたは旅行でもないのに4泊5日も、友人と一緒に泊まり込みをしたことがあるだろうか。私はある。というよりも、思いがけず、あった。 8月末に地元の静岡県浜松市から、幼なじみのちいちゃん(愛称)が「WEST. の東京ドームライブに行くので一泊、泊めてほしい」と連絡があった。彼女とは地元に戻っても、実家と実家の距離が30秒程度しか離れていない、ど近所。当人がいなくても相手の親さえいれば、実家へ遊びに行って、当たり前のようにお茶を飲んでくる。親同士も交流がある。もう親戚よりも濃密な関係である。ちなみにちいちゃんはバツイチ、独身同士だ。 宿泊リクエストは毎度のことなので、快諾。が、まさか一泊では終わらず、我が家に四泊もすることになろうとは。その経過が面白かったので、書き留めておこうと思う。 そろそろ五十路を迎えようとしている、おばさんふたりがどのようにして五日間もべったり生活を切り抜けたのか? を読んでほしい。今、「一緒に旅行に行く友人がいなくて」と悩む、中高年女性が多いと聞く。こだわりもワガママも増えてくる年齢になると、こういう悩みも尽きない。この四泊五日のレポートから、長時間、同性で過ごすポイントを拾ってもらえたら幸いです。
◆1DAYS:不安と笑顔と 8月29日。当日はライブ帰りで夜も遅いだろうと、私が自宅で夕食を作って、乾杯をすることになっていた。が、日中、ちぃちゃんから連絡が入る。 「明日の東海道新幹線、止まっちゃった。だから今日、日帰りで帰るわ。今からちょっと顔見に行くね」 仕事中の自宅に彼女はやってきて、急いで私が作った焼きそばを食べて、楽しそうにライブへ旅立って行った。が、なぜか胸騒ぎがする。17時半ごろ、ニュースを見ると台風の影響で、当日の新幹線が全線停止。これじゃあ、帰れないだろうとLINEを入れる。 「すみません、やっぱり泊めてください。ごはんもほしい。新幹線は止まるから、高速バス、予約してみた!」 その夜、ライブで興奮して帰ってきた彼女と夕飯を食べた。まあ、こんなこともあるだろうと思っていたら、ちいちゃんは、私が作ったウナギのちらし寿司を食べながら、やや青ざめた顔でこう言った。 「ねえ、高速バスの予約、勝手にキャンセルされている……」 覚えておいてほしい。自然災害などで運行停止が決定すると、高速バスのネット予約は自動的に消去される。このことは私も知らなかった。 「まあ、ちいちゃん、こんなこともあるよ。もう1泊してきなよ」 1泊どころか、あと3泊も続くことになるとはつゆ知らず。その後、寝室とリビングで分かれて寝る。
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