アメリカ2024年の流行語は「Brain Rot」米アルファ世代に蔓延する“脳ぐされ”問題とは?
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。 今回のテーマは「オックスフォード辞典が選ぶ今年の言葉は“Brain Rot=脳ぐされ” アルファ世代の脳ぐされにNYのZ世代も驚愕」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、2024年に注目を集めた言葉「Brain Rot」について意見交換しました。
◆流行語に選ばれたBrain Rot(脳ぐされ)はどんな言葉?
12月も残りわずか、2024年を振り返る時期となりました。アメリカの雑誌「タイム」は12日、世界にもっとも影響を与えた「今年の人」にアメリカのトランプ次期大統領を選びました。選出は2016年に大統領選で勝利したとき以来、2度目となります。 「オックスフォード英語辞典」を出版するオックスフォード大学出版局は、毎冬恒例の「今年の流行語」を発表しています。2024年の流行語に選ばれたのは「brain rot」、直訳で「脳ぐされ」を意味する言葉でした。まずは、言葉の意味についてニューヨークZ世代が説明します。 ノエ:brain rotは脳が腐るようなコンテンツ、または脳が腐っている状態。価値のない低品質なインターネット・コンテンツとかミームみたいなものだよ。たとえば、スキビディ・トイレ(※YouTubeに投稿されている3DCGアニメシリーズ)だね。基本的に何の価値もない、ただ短い形式のコンテンツを消費しすぎると脳が腐る、ということだと思う。 特に最近の子どもたちは脳ミソが腐ったような話し方をするよね。たぶん、そういうものしか消費していないからだと思う。僕はZ世代でも上のほうだから、子どものことはよくわからないけど、知り合いに小学校の先生がいてね。彼らの話す言葉ってすごいみたいだよ。 メアリー:「gyatt(ギャット)」(※goddamnの略として使われるインターネットスラング)とか? ノエ:そうそう! 彼らは実際に何か意味のあることを言おうとしているわけじゃない。ただ、消費するコンテンツで言っていたことを、そのまま繰り返しているだけなんだ。 メアリー:子どもたちが普通に言っているってことは、それだけ大量に消費しているってこと。それらのコンテンツでいっぱいになってしまうから、脳が腐るってことなのかな? インターネット上のミームや低品質なコンテンツを大量消費することは脳ぐされ(Brain Rot)につながる。ノエが挙げたスキビディ・トイレはYouTubeアニメで、トイレから男の人の顔が出て歌いながら地球を征服するという、訳のわからないコンテンツです。 Z世代から見ても、1つ下のアルファ世代(小学生以下)が発する言葉は謎に包まれています。ギャットやファナムタックス(誰かにおやつを取られること) といった言葉は、すべてTwitchなどのストリーミングやSNS由来のもので、そのほとんどに意味はありません。 そういったコンテンツばかり消費していると脳が腐ったような状態になるよ、と指摘した言葉がBrain Rotです。