ラミレス監督が今さら「今季ベストゲーム」の“?発言“も佐野が偉大な記録へ夢つなぐ球団タイ記録の5試合連続20号
変則左腕の大江を打ち砕いたように、対左投手に対する苦手意識を克服しているのも進化の理由の一つだ。対右投手の打率が.333で14本、対左投手の打率が.336で6本。本塁打こそ少ないが打率では左投手の方が上回っている。昨年は対右投手が.302で5本、対左投手が.258、0本だった。しかし、佐野は「大きく変えたところはあまりない」という。 「昨シーズンは左投手の打席がほとんどなかった。今はバッティング練習中に、左ピッチャーに投げてもらい、変化球も投げてもらって慣れることができたかな」 昨年、対右投手は181打席あったが、対左投手は34打席しかなかった。レギュラーを獲得していない打者の“負の連鎖“だが、そのハンデも練習量で克服し、打率と安打数の“2冠“も独走している。首位打者争いでは.334で2位の中日高橋が.317。安打数は131本で2位の中日大島が122本。タイトルのゴールも見えてきた。 そして佐野の連続試合本塁打記録には夢の続きがある。今日17日の巨人戦で、6試合連続の球団記録を作れば、王貞治、ランディ・バースの2人が持つ7試合連続の日本記録挑戦への扉が開くのである。もし日本記録に並べば、バース以来、34年ぶりの快挙。バースが7試合目の本塁打記録をマークしたのも王監督率いる巨人戦で、しかもエースの江川卓からだった。佐野が偉大なる記録に挑戦する舞台が同じく巨人戦というのも、どこか因縁めいている。 だが、佐野は、記録のプレッシャーに惑わされることはない。 「ここまでホームランを打つんだと思って打席に入っていないんで(笑)。ホームランどうこうよりも自分のスイングができるように準備をして打席に入りたい」 お立ち台では、明日、ホームランを期待していいですか?と問われ、こう答えた。 「期待しないで下さい」 こういう心持ちでいるからなおさら期待が高まる。今日17日の巨人の先発は畠。18日は新人王争いをしている戸郷が予想される。ちなみに今季の佐野は、この2人から“まだ”本塁打を打っていない。